アウトライン審査事例
国税不服審判所が示した審査請求事件の裁決例は、正確な税務処理を行っていくうえで見落とせません。アウトライン審査事例では実務家の皆様にとって実用性の高い裁決事例を簡潔に紹介。併せて、参照条文も記載しておりますので、実務上の判断の一助としてお役立てください。
1124件の結果のうち1 から 10件表示
-
2024/07/22
国内で購入した商品を、機内持ち込み荷物で外国に運び売却した取引が、税関長の証明等がないから輸出免税取引に該当しないと判断された事例(棄却)
【裁決のポイント】事業者が国内において行う課税資産の譲渡等のうち、輸出取引に当たるものについては、内国消費税である消費税は外国で消費されるものには課税しないという考えに基づき、消費税が免除される(輸出免税)。輸出免税の適用を受けるためには、輸出取引等の区分に応じて、輸出許可書、税関長の証明書または輸出の...
続きを読む
-
2024/07/08
事業部長の肩書を与えられて売上を請け負っていた元従業員の隠ぺい仮装行為を、審査請求人の行為と同視できると判断された事例(棄却)
【裁決のポイント】重加算税の対象となる隠ぺい仮装の行為が、納税者である法人において経営上重要な地位にある役員や従業員によるものでなく、退職して雇用関係がない状態で業務を請け負っていた元従業員によるものだった場合でも、法人の行為と同視することができるか。イベント企画会社の審査請求人を退職した元従業員Aであ...
続きを読む
-
2024/07/01
裁判上の和解に基づき元勤務先から受け取った金員のうち、未払賃金相当額以外の部分に、損害賠償金が含まれているとは認められないと判断された事例(棄却)
【裁決のポイント】個人所得は、その性質によって次の10種類に分かれ、所得税は、納税義務者に帰属するすべての所得に対して課税されるのが原則で、社会政策その他の見地から所得税を課さないものについては非課税所得の規定がある。たとえば、交通事故などで、心身に加えられた損害に基づいて取得する保険金、損害賠償金、慰...
続きを読む
-
2024/06/24
利息部分には刑罰として課されたものと認めるに足る根拠を見いだせないと判断して、損金算入が認められた事例(全部取消し)
【裁決のポイント】法人税法第55条は、不正行為等に係る費用等は損金の額に算入しないと規定している。損金算入を許すと罰を課した効果が減殺されるからである。具体的に、重加算税や独禁法違反の課徴金等のほか、「外国またはその地方公共団体が課する罰金または科料に相当するもの」(第1条第4項(現在は第5項)第1号)...
続きを読む
-
2024/06/17
議事録には明確な記載がないものの、過去の職務執行期間の対価でなく、当職務執行期間の対価として決議されたと考えられ、期限内に届け出ているから、事前確定届出給与の要件を満たしているとされた事例(全部取消し)
【裁決のポイント】事前確定届出給与とは、いわゆる役員賞与で、従業員へのボーナスと違い原則損金不算入であり、損金算入が認められるためには、支給日および支給額についての株主総会等の決議の日から(職務の執行の開始の日から)1月以内に、所定の事項を記載した届出書を税務署に提出し、届け出たとおりに支給される必要が...
続きを読む
-
2024/06/10
事前通知なしで税務調査が行われたこと、税理士に調査結果説明が行われなかったことについて、違法性はないと判断された事例(棄却)
【裁決のポイント】税務署による更正処分、決定処分(無申告の場合)、再更正処分は、国税通則法で「調査により」行うと規定されており、調査無しでそれらの処分が行われた場合には、処分は取消しになると解される。また、課税処分の基礎となる証拠収集手続に重大な違法(刑法法規に触れ、公序良俗に反しまたは社会通念上の限度...
続きを読む
-
2024/06/03
建物の固定資産税評価額には、改修工事による価値の増加分が反映されていないから、売買代金のあん分には、不動産鑑定評価における積算価格比を使うことが合理的とされた事例(一部取消し)
【裁決のポイント】建物と土地を一括購入したが、売買契約上、内訳が明らかではない場合には、合理的な方法で売買金額を分ける(あん分する)必要があるが、一般には、固定資産税評価額の比が用いられる。しかし、建物の固定資産税評価額に、1~2年前の大きな改修工事による価値の増加が反映されていない場合でも、その方法が...
続きを読む
-
2024/05/27
過少申告であった輸入消費税等の額を、課税期間の消費税の確定申告で納付しても、納税義務は別であり、税関長による過少申告加算税賦課決定処分は適法とされた事例(棄却)
【裁決のポイント】貨物を輸入する場合は、税関長に輸入申告書を提出し、貨物を引き取る時までに、輸入取引に係る消費税等(輸入消費税等)を納付しなければならない(フォワーダーと呼ばれる貨物取扱業者に通関手続きを依頼することが多い)。審査請求人は、税務署の調査で、輸入した貨物の課税価格の間違いを指摘されて、税関...
続きを読む
-
2024/05/20
勤務先事務所内で個人事業主として業務を行うために支払った事務経費分担金のうち、社外取締役報酬に比例した部分は、事業所得の必要経費にならないとされた事例(棄却)
【裁決のポイント】ある支出が、必要経費(所得税法第37条)に該当するには、その支出が事業所得を生ずべき業務と直接の関係を持ち、かつ、業務の遂行上必要なものに限られ、その判断は、単に業務を行う者の主観的な動機・判断によるのではなく、当該業務の内容や、当該支出の趣旨・目的等の諸般の事情を総合的に考慮し、社会...
続きを読む
-
2024/05/13
仕入先が取締役の親族であることを考慮した仕入金額の上乗せがあるとはいえないとして、仕入金額の一部を贈与(寄附金)とした課税処分が取り消された事例(全部取消し、一部取消し)
【裁決のポイント】法人税法上、相手に時価より安く売った低額譲渡の場合には時価と受け取った対価の差額部分、逆に、相手から時価よりも不相当に高い対価を支払って購入した場合には時価を超える部分の金額も、相手への実質的な贈与であり、寄附金に該当すると解される(法人税法第37条)。寄附金の損金算入限度額は相手(国...
続きを読む
1124件の結果のうち1 から 10件表示