税務デイリーニュース
税務に関する最新のニュースを毎日お届けします。
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2025/04/01
「地域経済分析システム(RESAS)」の新システムの提供開始
経済産業省は3月7日、「地域経済分析システム(RESAS:リーサス)」(以下「RESAS」という。)について、多様なユーザーがデータを容易に利活用できる環境を実現するため、使いやすさを向上させた新システムの提供を開始した。RESASは、経済産業省と内閣官房が2015年(平成27年)から提供している分析システムであり、地域経済に関する官民のビッグデータを地図上やグラフで分かりやすく、簡単に、見える化できるデータプラットフォームである。RESASでは、人口・産業構造に関する政府統計のほか、全国の約750万事業所の立地データや、全国12万件の観光資源情報、全国のスーパー・ドラッグストアにおける販売実績データをはじめとする様々な分析メニューを提供している。分析メニューとして、マーケティングマップ(5分析)、観光マップ(4分析)、人口マップ(9分析)、産業構造マップ(3分析)、地域経済循環マップ(5分析)、農林業漁業マップ(7分析)、医療・介護マップ(2分析)の7つのマップが設定され、35種類の分析が用意されている。また、メニューを活用した分析例として4例が挙げられており、マーケティングマップの生活用品消費分析については、全国のスーパーやドラッグストアにおける年間10億枚以上のレシート分テータを基に設計した、約400分類の生活用品消費データ(POS)を確認することができるメニューとなっている。なお、全てのメニューについて、ID登録など事前手続は不要であり、無料で利用することができる。今回の新システムの稼働は、デジタル田園都市国家構想総合戦略(令和4年12月23日閣議決定)に基づき、エビデンスに基づいた地方公共団体の政策の企画立案(EBPM)や地域企業の経営判断・課題解決を推進するため、行われたものである。新システムでは、描画速度の向上、画面遷移を要する類似メニューの集約、スマートフォン対応など利便性の向上、搭載データの精緻化など分析機能が高度化されており、同省においては引き続き利用者のニーズに基づき、システムの改善や高度化に向けて検討を続けていくとしている。(参考)「地域経済分析システム(RESAS)」の新システムの提供開始https://www.meti.go.jp/press/2024/03/20250307002/20250307002.html
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2025/03/31
消費税軽減税率対象の給食金額基準の変更
学校給食や有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などの特定施設における食事提供については、一定金額以下であれば消費税の軽減税率が適用されているが、この金額基準が、令和7年4月1日以降に変更されることが国税庁から公表された。具体的には、令和6年6月以降の基準である「同一の日に同一の者に対して一食670円以下、一日累計2,010円まで」が、令和7年4月1日以降は「一食690円以下(20円アップ)、一日累計2,070円まで(60円アップ)」に引き上げられるというものだ。なお、対象となる施設に変更は無い。令和元年10月の消費税率の引上げに伴い、飲食料品の譲渡には軽減税率が適用されているが、飲食店業者が提供する食事(外食等)や、相手方が指定した場所において行う加熱、調理又は給仕等の役務提供を行う飲食料品の提供(ケータリング等)は軽減税率の対象外とされている。ただし、軽減税率の対象外となる「相手方が指定した場所において行う役務を伴う飲食料品の提供」であっても、特定の施設において一定の基準を満たす役務の場合には軽減税率の対象とされ、制度ができた令和元年10月時点では、「一食640円以下、一日累計1,920円まで」と規定された。【対象となる施設】1.有料老人ホームにおいて、当該有料老人ホームの設置者又は運営者が、当該有料老人ホームの一定の入居者(※1)に対して行う飲食料品の提供2.サービス付き高齢者向け住宅において、当該サービス付き高齢者向け住宅の設置者又は運営者が、当該サービス付き高齢者向け住宅の入居者に対して行う飲食料品の提供3.義務教育諸学校の施設において、当該義務教育諸学校の設置者が、その児童又は生徒の全て(※2)に対して学校給食として行う飲食料品の提供4.夜間課程を置く高等学校の施設において、当該高等学校の設置者が、当該夜間過程において、生徒の全て(※2)に対して夜間学校給食として行う飲食料品の提供5.特別支援学校の幼稚部又は高等部の施設において、当該特別支援学校の設置者が、幼児又は生徒の全て(※2)に対して学校給食として行う飲食料品の提供6.幼稚園の施設において、当該幼稚園の設置者が、教育を受ける幼児の全て(※2)に対して学校給食に準じて行う飲食料品の提供7.特別支援学校に設置される寄宿舎において、当該寄宿舎の設置者が、寄宿する幼児、児童又は生徒に対して行う飲食料品の提供※160歳以上の者、要介護認定・要支援認定を受けている60歳未満の者又はそれらの者の配偶者に限られる※2アレルギーなどの個別事情により全ての児童又は生徒に対して提供することができなかったとしても軽減税率の適用対象となる(参考)国税庁ホームページ「消費税の軽減税率の対象となる給食の金額基準が変わります」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0025001-116.pdf
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2025/03/28
「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」の改訂
経済産業省は、2月12日「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」を改訂した。(2月18日に関連資料「電子商取引及び情報財取引に関する準則」(本文)に一部誤りがあったため差し替えが行われている)。「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」は、電子商取引や情報財取引等に関する様々な法的問題点について、民法をはじめ、関係する法律がどのように適用されるのかを明らかにすることにより、取引当事者の予見可能性を高め、取引の円滑化に資することを目的として、平成14年3月に策定されたもので(策定時の名称は「電子商取引等に関する準則」)、電子商取引や情報財取引等を巡る法解釈の指針として機能することを目指している。この準則は平成14年3月の策定以降、電子商取引や情報財取引等の実務、関連する技術の動向、国内外のルール整備の状況等に応じて随時の改訂が行われてきたが、産業構造審議会商務流通情報分科会情報経済小委員会IT利活用ビジネスに関するルール整備ワーキンググループや、改訂起草のための作業部会の有識者による検討結果を踏まえて、今回の改訂となったものである。具体的には、前回改訂時(令和4年4月)以降に施行された主な新規法令や改正法令(令和6年4月1日までに施行されているものが対象)等を踏まえ、デジタルプラットフォームに関する項目やブロックチェーン技術を用いた価値移転に関する項目を改訂する他、以下の各論点について改訂が行われている。I-2-1ウェブサイトの利用規約の定型約款該当性(更新)I-2-2定型約款の規定が適用されないサイト利用規約の契約への組入れと契約締結後の規約変更(更新)I-8-6ユーザー間取引に関するプラットフォーム事業者に対する業規制(更新)I-8-7デジタルプラットフォームにおける約定解除権の行使(新規)II-9-3著作物の写り込み(削除)II-9-4eラーニングにおける他人の著作物の利用(削除)III-14-2NFT(Non-FungibleToken)をめぐる法律関係(新規)また、上記の他、参照ガイドライン等に関する情報の更新、裁判例の追加等、必要な改訂等が併せて行われている。この準則は、取引の実務の変化、技術の動向や国際的なルール整備の状況等に応じて、今後も必要な改訂を行うことが予定されており、経済産業省では、改訂に向けた意見を随時受け付けている。(参考)「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」を改訂しましたhttps://www.meti.go.jp/press/2024/02/20250212003/20250212003.html
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2025/03/27
マイナンバーカードと免許証の一体化
マイナンバーカードと運転免許証及び運転経歴証明書の一体化が令和7年3月24日から開始される。一体化を希望した場合、免許証に代わり免許情報の記録されたマイナンバーカード(マイナ免許証)を保有することが可能となる。令和7年3月24日からの免許証の保有方法は、運転免許証のみ、マイナ免許証のみ、マイナ免許証と運転免許証の3つの方法となる。運転免許証のみ保有の場合は、マイナンバーカードと運転免許証を一体化せず、運転免許証のみ保有する場合で、この場合は、今までどおり、更新等ができる。マイナ免許証のみ保有の場合は、マイナンバーカードと運転免許証を一体化し、現在保有している運転免許証は返納することになる。マイナ免許証と運転免許証の2枚保有する場合は、マイナンバーカードと運転免許証を一体化した上で、現在保有している運転免許証も引き続き保有することになる。なお、自動車等の運転の際は、免許証又はマイナ免許証のいずれかを携帯する必要がある。マイナ免許証に記録される情報は、マイナ免許証の番号、免許の年月日及びマイナ免許証の有効期間の末日、免許の種類、免許の条件に係る事項、顔写真、色区分(優良(ゴールド)、新規(若草色)、その他(薄青色))等となっており、この情報はマイナ免許証のICチップに記録されるが、マイナンバーカードの券面に免許に関する事項は記載されない点には注意が必要である。免許(運転経歴)情報の確認を行うには、マイナ免許証を取得後、マイナポータル連携を行うか、スマートフォンやパソコンのアプリストアから「マイナ免許証読み取りアプリ」をインストールして、マイナ免許証のICチップに記録された免許情報を確認することもできる。マイナンバーカードと運転免許証一体化のメリットとしては、①住所・氏名の変更手続がワンストップ化され、市町村に届け出れば警察への変更届出が不要となる②更新時講習をオンラインで受講できる(優良運転者講習・一般運転者講習)③居住都道府県外の公安委員会の窓口で行う免許証の更新手続(経由地更新)が迅速化され、経由地更新の申請ができる期間が延長される④更新時の手数料が免許証と比べて安いがあげられているが、免許証の保有方法によって受けられるメリットが異なり、更新時の手数料も異なってくるため、保有方法毎の違いについて留意することが必要である(※)。(参考)マイナンバーカードと運転免許証の一体化についてhttps://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/menkyo/oshirase/individual_number.html(※)https://www.digital.go.jp/policies/mynumber/drivers-license#merit3
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2025/03/26
2025年2月版無線LAN(Wi-Fi)のセキュリティに関するガイドラインの公表
総務省は、2025年2月5日、以前より公開している「無線LAN(Wi-Fi)のセキュリティに関するガイドライン」を更新した。更新したガイドラインは、利用者向け(自宅Wi-Fi利用者向け簡易マニュアル、公衆Wi-Fi利用者向け簡易マニュアル)、提供者向け(公衆Wi-Fi提供者向けセキュリティ対策の手引き)となっている。無線LAN(Wi-Fi)の利用者にとっては、在宅業務の機会も増えてきていることから、自宅Wi-Fiを利用する際の留意点、また、出張先、旅行先でも利用の機会が増えてきている公衆Wi-Fiを利用する際の留意点について、参考になる情報が記載されているため確認しておくとよい。また、無線LAN(Wi-Fi)の利用者だけではなく、幅広い公衆Wi-Fi提供者(飲食店や小売店等をはじめ、地域の活性化に取り組む地方公共団体や商業組合、利用者にサービスを提供する宿泊施設や医療機関等)が、「公衆Wi-Fi提供にはどのようなリスクがあるのか」「具体的にどのような対策をすればいいのか」といったことを確認するとともに、実際の環境に応じたセキュリティ対策をとるための参考情報も提供されているため、公衆Wi-Fiの提供を検討している場合には参考にするとよい。利用者向けの簡易マニュアルでは、自宅Wi-Fi利用者向けで下記5つのセキュリティ対策のポイントが記載されている。1セキュリティ方式は「WPA2またはWPA3」を選択しよう2パスワードは第三者に推測されにくいものにしよう3サポート期限内のWi-Fiルーターを利用しよう4ファームウェアを最新の状態にしよう5Wi-Fiルーターの設定を定期的に確認しよう職場での情報セキュリティ対策は十分に行われていると思われるが、自宅では1つのパソコンを共有したり、セキュリティ対策ソフトの更新を行わなかったり、無線LANを含めた情報セキュリティ対策が甘くなりがちなため、自宅で業務を行う前に十分確認と対策を行うことが必要となる。外出先で利用する機会が増えている公衆Wi-Fi利用者向けの簡易マニュアルでは、下記3つのセキュリティ対策のポイントが記載されている。1接続するアクセスポイントをよく確認しよう2正しいURLでHTTPS通信しているか確認しよう3パソコンの共有設定に注意しよう公衆Wi-Fiを利用し、パスワードを使用するウェブサイト等にアクセスする場合は、アクセス後にはパスワードを変更する等によりセキュリティ対策を行うことにも留意するとよい。(参考)無線LAN(Wi-Fi)の安全な利用(セキュリティ確保)についてhttps://www.soumu.go.jp/main_sosiki/cybersecurity/wi-fi/
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2025/03/25
中小企業における最低賃金の影響に関する調査
日本商工会議所ならびに東京商工会議所は3月5日、「中小企業における最低賃金の影響に関する調査」の結果を公表した。本調査は、中小企業における最低賃金引上げの影響や政府目標への受止めについて、中小企業の実態を把握し今後の意見・要望活動に活かしていくため、本年1月から2月にかけて全国47都道府県の会員企業を対象に実施したものであり、3,958社の回答を東京23区・政令指定都市の都市部(601社)とそれ以外の地方(3,357社、うち従業員20人以下の小規模企業1,619社)に分け、集計・分析を行っている。2024年の最低賃金引上げにより、「最低賃金を下回る従業員がいたため、賃金を引き上げた」と回答した企業は44.3%であり、昨年調査から5.9ポイント増加している。地方では46.4%に達し、都市部より14ポイント高くなっている。最低賃金引上げに伴う人件費増への対応については、「具体的な対応が取れず、収益を圧迫している」と回答した企業が31.4%と最も多く、「人件費増加分の価格転嫁」が26.9%、「原材料費等増加分の価格転嫁」が22.3%と続いている。現在の最低賃金の負担感について、「大いに負担」、「多少は負担」と回答した企業の合計は76.0%であり、特に「大いに負担」と回答した企業は32.3%と昨年調査から11.8ポイント増加している。地方では77.5%に達し、都市部より9.6ポイント高くなっている。新たな政府目標(2020年代に全国加重平均1,500円)について、「対応は不可能」と回答した企業は19.7%、「対応は困難」と回答した企業は54.5%、合計で74.2%となっており、地方・小規模企業では25.1%が「対応は不可能」と回答している。2025年度より政府目標どおりの最低賃金引上げ(7.3%・89円)が行われた場合の影響について、「人件費以外のコストの削減」と回答した企業が39.6%で最も多く、「残業時間・シフトの削減が31.3%で続いている。なお、「収益悪化により、事業継続が困難(廃業、休業の検討)」との回答した企業は15.9%、地方・小規模企業では20.1%に達している。対応可能な引上げの水準について、「年平均3%程度」と回答した企業が23.0%で最も多く、「年平均1%未満」から「年平均3%程度」までと回答した企業の合計は67.9%となっている。政府目標どおりの引上げ7.3%に対応可能となる、「年平均7%程度」及び「年平均8%以上」と回答した企業の合計はわずか1.0%に留まっている。(参考)「中小企業における最低賃金の影響に関する調査」https://www.jcci.or.jp/news/research/2025/0305110017.html
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2025/03/24
「クレジットカード・セキュリティガイドライン」の改訂
クレジット取引セキュリティ対策協議会(以下「協議会」という。)は3月5日、「クレジットカード・セキュリティガイドライン」(以下「ガイドライン」という。)を改訂し、「ガイドライン【6.0版】」を公表した。改訂に至った背景として、クレジットカード情報の盗用による非対面取引におけるクレジットカード利用時の不正利用の被害が依然として高い水準で推移していることがあげられている。その原因としては、EC加盟店のWebサイトの脆弱性をついた不正アクセス、大量かつ連続する不正アタックによるクレジットカード番号の有効性確認、フィッシング等により窃取されたクレジットカード情報やECサイト利用者のログインID・パスワード等が、EC加盟店で悪用されていることが考えられ、これらの状況を鑑み、新たな対策を盛り込んだガイドラインが取りまとめられた。主な改訂ポイントは以下のとおりであり、各関係事業者が実効性あるセキュリティ対策を実現することで、EC加盟店におけるクレジットカードの不正利用被害の抑制に繋げるものである。1EC加盟店におけるカード情報保護対策EC加盟店のシステムやWebサイトのウィルス対策、管理者の権限の管理、デバイス管理等の「脆弱性対策」の不備を原因としたカード情報漏えいを防止するため、「EC加盟店のシステム及びWebサイトの『脆弱性対策』の実施」を、EC加盟店におけるカード情報保護対策の指針対策に追加。2EC加盟店における不正利用対策(1)EMV3-Dセキュアの導入カード会社(イシュアー)による本人確認が適切に行われるための措置として、「EMV3-Dセキュアの導入」をEC加盟店における不正利用対策の指針対策に追加。(2)適切な不正ログイン対策の実施カード決済前の場面において、不正なアカウント登録や本人になりすましたログインを防止するために、「適切な不正ログイン対策の実施」をEC加盟店における不正利用対策の指針対策に追加。協議会では、我が国のキャッシュレス社会において、安全・安心なクレジットカード利用環境を実現するよう、引き続きクレジットカード取引に関係する幅広い事業者と連携しつつ、セキュリティ対策の強化に向けた取組を推進するとしている。(参考)クレジットカード・セキュリティガイドライン【6.0版】改訂ポイントhttps://www.j-credit.or.jp/security/pdf/Creditcardsecurityguidelines_6.0_revisionpoint.pdf
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2025/03/21
「AIの利用・開発に関する契約チェックリスト」を公表
経済産業省は2月18日、生成AIの普及を始めとする近年の市場環境の変化を踏まえ、当事者間の適切な利益及びリスクの分配、ひいてはAIの利活用を促すことを目的として、我が国の事業者が使いやすい形式の「AIの利用・開発に関する契約チェックリスト」を取りまとめ公表した。チェックリスト策定の背景・目的について、2022年頃より、基盤モデルに代表される生成AI技術を用いたサービスが急速に普及し始め、AIモデルの開発だけでなく、その利活用の局面における契約の重要性も高まっている。特に事業活動においてAI技術を用いたサービスの利活用を検討する事業者の増加が顕著である一方で、AIの技術や法務に必ずしも習熟していない事業者が導入を検討するケースも増えている。このような状況下で、AI技術を用いたサービスの利活用を行う際の契約実務に関し、以下のような懸念が挙げられている。・AIの利活用に関する契約に伴う法的なリスクを十分に検討できていない可能性・保護されるべきデータや情報が予期せぬ目的に利用され、また第三者に提供される等、想定外の不利益を被る可能性今回、このような市場環境の変化を踏まえて、AI利活用の実務になじみのない事業者を含め、我が国の事業者が実務上使いやすい形式のチェックリストを取りまとめた。チェックリストは、当事者間の適切な利益及びリスクの分配を目指し、ひいてはAIの利活用を促すことを目的として、特に以下の方針に基づき策定されている。・AI技術を用いたサービスの利用者が、サービスの提供者に対して提供するデータの利用範囲や契約上のベネフィット(サービスの水準、AI生成物の利用条件等)について十分な検討を行うために必要な基礎的な知識を提供すること・提供されるデータの不適切な利用等を避けられるよう、利用者において、契約時にチェックするべきポイント(チェックポイント)を具体的に記載すること・幅広い想定読者や利用場面を念頭に置き、AI利活用の契約実務に有益な参考資料とすること想定読者として、AI利活用の実務経験は問わず、幅広い読者を念頭に置いており、主に社内法務部・顧問弁護士等が契約条項を具体的に検討する場面、ビジネス部門担当者等が契約についての初期的な検討を行う場面を想定している。なお、チェックリストを活用する上での留意点として、チェックリストを踏まえてどのように対応することが適切であるかは、個別のユーザが置かれた具体的な事情に依拠するため、ベンダにより提供されるAI関連サービスの内容など、各要素を含む関連する事情を総合的に考慮して判断することが必要であるとしている。(参考)「AIの利用・開発に関する契約チェックリスト」を公表https://www.meti.go.jp/press/2024/02/20250218003/20250218003.html
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2025/03/19
国税庁 新たな「インボイスの取扱いに関するご質問」を公表
令和7年2月25日、国税庁のインボイス制度特設サイトにおいて、新たな「インボイスの取扱いに関するご質問」が公表された。今回示された内容は、次の4項目となっている。1.現金主義を適用する事業者の仕入税額控除のタイミングいわゆる現金主義の特例の適用を受ける個人事業者については、費用の支出と適格請求書の受領のタイミングが異なり、適格請求書の受領が翌課税期間になることがある。仕入税額控除の適用には、一定の事項を記載した帳簿及び適格請求書の保存が求められるが、当該課税仕入れが適格請求書発行事業者から行われる場合には、課税期間の終了時までに適格請求書の交付が受けられなかった場合でも、後日、交付された適格請求書を保存することを条件に、仕入税額控除の適用が認められることとなった。2.任意組合の構成員が帳簿へ記載すべき課税仕入れの相手方の氏名又は名称任意組合が共同事業として課税仕入れを行った場合、幹事会社が仕入先から交付された適格請求書を保存し、構成員は幹事会社からの精算書の保存により、仕入税額控除の適用を受けられることとなっている。この場合、幹事会社が相手方の氏名・名称や登録番号を管理し、必要に応じて構成員が確認できる状態にあるならば、帳簿には幹事会社の名称及び幹事会社を経由して取引を行った旨を記載すれば差し支えないとされた。3.任意組合の組合員のうち事業の損益の配賦を受けない者の取扱い任意組合に関しては、すべての組合員が適格請求書発行事業者として登録し、「任意組合等の組合員の全てが適格請求書発行事業者である旨の届出書」を提出した場合のみ適格請求書の交付が可能となるが、日本で課税資産の譲渡等を行っておらず、日本における事業の損益の配賦を直接又は間接にも受けない組合員については、届出書の対象としなくても差し支えないとされた。4.適格請求書の記載事項のインターネットでの公表適格請求書の記載事項の一部をホームページに掲載しておくだけでは、領収書とホームページの関連が明確でなく、適格請求書の要件を満たしたことにはならない。しかし、取引先に交付する領収書に適格請求書の記載事項である登録番号や名称等が記載されていない場合でも、領収書上に記載されているURLにアクセスすることで不足事項が補完されるのであれば、相互の関連性が明確であるものとして、適格請求書の記載事項を満たしているものと扱われることが示された。(参考)特集国税庁インボイス特設サイトhttps://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice.htm(参考)インボイスの取扱いに関するご質問(令和7年2月25日更新)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0025002-059.pdf
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2025/03/18
「企業取引研究会報告書」に対する意見募集の結果
公正取引委員会、中小企業庁は、2月21日「企業取引研究会報告書」に対する意見募集の結果を公表した。この報告書では、デフレ型の商慣習からの脱却の必要性とデフレ型の商慣習からの脱却に向けてについて検討が行われており、デフレ型の商慣習からの脱却に向けてでは、1下請法の見直し(下請法の改正についての事項)、2独占禁止法(優越的地位の濫用)・下請法の運用・執行の見直しについて検討が行われた。1下請法の見直し(下請法の改正についての事項)、2独占禁止法(優越的地位の濫用)・下請法の運用・執行の見直しでは、適切な価格転嫁の環境整備に関する論点(買いたたき規制の在り方)、下請代金等の支払条件に関する論点、物流に関する商慣習の問題に関する論点を共通して検討し、下請法の適用基準に関する論点(下請法逃れへの対応)、知的財産・ノウハウの取引適正化に関する論点についても検討が行われた。報告書では解決の方向性として、適切な価格転嫁の環境整備に関する論点(買いたたき規制の在り方)では、・実効的な価格交渉が確保されるような取引環境を整備する観点から、例えば、下請事業者からの価格協議の申出に応じなかったり、親事業者が必要な説明を行わなかったりするなど、一方的に下請代金を決定して、下請事業者の利益を不当に害する行為を規制する必要がある。・サプライチェーン全体での円滑な価格転嫁を実現するため、上記の観点を優越的地位の濫用の考え方にも当てはめ、優越ガイドライン等で想定事例や考え方を示すことを検討する必要がある。下請代金等の支払条件に関する論点では、・紙の有価証券である手形については、下請法の代金の支払手段として使用することを認めない。・その他金銭以外の支払手段(電子記録債権、ファクタリング等)については、支払期日までに下請代金の満額の現金と引き換えることが困難であるものは認めない。・振込手数料を下請事業者に負担させる行為は、合意の有無にかかわらず、下請法上の違反に当たることとし、その旨、解釈を変更して、運用基準において明示する。・サプライチェーン全体で手形の廃止や支払サイトの短縮化を実施していくため、不当に長く支払サイトを設定するような行為について、優越的地位の濫用に係る考え方を整理し、優越ガイドライン等で想定事例や考え方を示すことを検討する必要がある。物流に関する商慣習の問題に関する論点では、・発荷主が運送事業者に対して物品の運送を委託する取引の類型を新たに下請法の対象取引とする。とされた。報告書に対する意見は、全体で209件の意見が寄せられ、適切な価格転嫁の環境整備に関する論点(買いたたき規制の在り方)には29件、下請代金等の支払条件に関する論点には15件、物流に関する商慣習の問題に関する論点には20件の意見が寄せられた。最も多く寄せられた意見は、知的財産・ノウハウの取引適正化に関する論点で、54件の意見が寄せられ、下請法の適用基準に関する論点(下請法逃れへの対応)にも28件の意見が寄せられた。(参考)(令和7年2月21日)「企業取引研究会報告書」に対する意見募集の結果についてhttps://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2025/feb/250221_kigyotorihiki_iken.html
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