税務情報レポート

MJS税経システム研究所・税務システム研究会の顧問・客員研究員による租税を中心とした多彩な研究成果および最新の税制改正および制度や動向、判例研究等に関するリポートです。

質問検査権は,納税者が行った申告の内容が法律で定めた要件に従っているかどうかについての資料を確認するため,関係者に質問し,関係する物件を検査することを税務職員に与えた権限といわれている。この権限は,行政執行にかかる調査であって,強制調査を認めているものではない。税務調査を受ける相手は,その調査が適法に行われる限りは,その調査官の質問に答え,検査を受ける義務がある。そして,正当な理由なくして,調査官の質問や検査を拒むことができない。もし,正当な理由なくして調...
1.中小会社の会計基準の必要性が議論された背景平成13年臨時国会において、すべての株式会社に義務付けられている「計算書類の公告(商法283条)」について、新聞・官報による公告に加えて、自社のホームページによる開示が認められる商法改正が行われた。この改正により、計算書類の公告コストが減少し、中小会社も容易に計算書類が開示できることになった。平成14年通常国会では、相次いで改正・新設されている会計基準に対応して商法の計算書類の省令化が決定したが、次の附帯決議が...
<適用対象者>1.贈与者適用対象となる贈与をした者(以下「贈与者」という)は、その贈与をした年の1月1日において65歳以上の親である(相法21条の9①)。2.受贈者適用対象となる贈与により財産を取得した者(以下「受贈者」という)は、その贈与をした者の推定相続人(その贈与をした者の直系卑属である者のうちその贈与をした年の1月1日において20歳以上であるものに限る。)である(相法21条の9①)。このように適...
Ⅰ社内融資法人の役員がその法人から無利息または低利率で金銭を借りた場合には、原則として、『通常、支払うべき利息』と『実際に支払った利息』との差額(経済的な利益)について給与(役員報酬)とされる。したがって、この経済的な利益の額も含めて給与所得が計算され、所得税・住民税が課税される。また、法人が金銭を無利息または低利率でその役員へ貸し付けた場合には、原則として、『通常、収受すべき利息』が益金とされ、『通常、収受すべき利息』と『実際に収受した利息』との差額(経...
5.一括償却資産の損金算入選択制度は存続法人税法施行令133条の2の一括償却資産の損金算入(個人では所令139①)の規定では、法人が取得価額20万円未満である減価償却資産(国外リース資産及び10万円未満の減価償却資産で損金算入したものは除く)を事業の用に供した場合には、その減価償却資産の全部又は特定の一部を一括したもの(一括償却資産)の取得価額の合計額について、事業年度ごとに、3年間で損金の額に算入できる方法を選択できることとされている。この規定はそのまま...
1.概要中小企業者等が、平成15年4月1日から平成18年3月31日までの間に、取得価額30万円未満の減価償却資産を取得して損金経理した場合には、明細書の添付を条件に対象資産の限定なく、取得価額の全額の損金算入が認められようになった(個人では措法28条の2、法人は措法67条8、以下は法人の関係を掲載する)。これまでの損金算入限度額の改正経緯と今回の改正は以下のようになっている。
源泉徴収による所得税の基本的な法律関係は(1)源泉徴収の対象となるべき所得の支払がされるときは、支払者は、法令の定めるところに従って所得税を徴収して国に納付する義務を負う。この徴収納付義務は、本来の納税義務ではないが、納付という納付義務を内容とする点において本来の納税義務に類似するものであることから、国税通則法は、源泉徴収による国税を徴収して国に納付しなければなら...
平成15年4月11日、国税庁による「国税電子申告・納税システム」のクライアント(個々のパソコン)仕様が発表された。仕様書を読み進めていくと、我々には馴染みのないXMLという単語が目に付く。クライアント側で使用されるデータ形式だというが、XMLとはどういったものなのか?今回は、このXMLを通して、「電子申告」を取り巻く環境について見ていきたい。XML(eXtensibleMarkupLanguage)がクライアント仕様に加えられた背景には、
現在各分野では、IT化が日々目覚ましい進出を遂げている。私たち、税務を生業とする者たちにとっても、日常業務においてすら既に、一人一台のパソコンは必需品になっている。今では昔と違い、調べたい物事があった時に、図書館若しくは書店に足を運ぶことなく、ホームページ検索などにより用を済ませている事務所も少なくはない。発信主義?!到着主義?!今後考えられる電子申告の課題といえば、目下タイムスタンプが取り上げられてい...
「特定事業用資産についての相続税の課税価格の計算の特例(措法69条の5)」が平成14年度税制改正により創設された際には、「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例(措法69条の4)」と選択適用とされた。これが平成15年度税制改正により、両規定を併用して使うことができるようになった。ただし、単純に両方の特例が併用して適用できるということではなく、一方の特例を選択した場合、その選択した適用上限に満たない範囲で他方の特例の適用を認めるというものである。...