税務情報レポート

MJS税経システム研究所・税務システム研究会の顧問・客員研究員による租税を中心とした多彩な研究成果および最新の税制改正および制度や動向、判例研究等に関するリポートです。

1.与党大綱での趣旨与党税制改正大綱では、「二平成16年度税制改正の基本的考え方」において、「また、住宅ローン減税の延長措置を講じ、個人の計画的な持家取得を支援する。」ために、「①住宅ローン減税について、現下の景気情勢を踏まえ、平成15年分の制度を1年延長して平成16年分に適用する。平成17年分以降については、いわゆる団塊ジュニア世代を中心とした個人の計画的な持家取得の支援の要請と、財政構造改革の必要性を総合勘案し、平成20年までの間に、税額控除期間10年...
1.総額表示義務創設に係る消費税法の規定消費税法では、総額表示に関して次のように規定している。(平成16年4月1日から適用)(価格の表示)第63条の2事業者(免税事業者を除く)は、不特定かつ多数の者に課税資産の譲渡(消費税が免除されるものを除く。)を行う場合(専ら他の事業者に課税資産の譲渡を行う場合を除く。)において、あらかじめ課税資産の譲渡等に係る資産または役務の価格を表示するときは、当該資産又は役務に係る消費税額及び地方消費税額の合計額に相当する価格を...
2004/02/01 土地の収用
土地収用法等により土地、建物を譲渡した場合には、「5,000万円特別控除の特例」または「代替資産の取得による課税の繰延の特例」を適用することができる。1.補償金等の種類公共事業などに伴い土地収用法等の規定に基づく収用等により、資産について収用等を受けるとさまざまな名目で補償金が交付される。個人が補償金や清算金を取得した場合には、原則として、対価補償金について収用等の特例が適用される。対価補償金には、土地補...
⑥単年度損益各事業年度の単年度損益は、欠損金の繰越控除を行わなかったものとした場合における法人事業税の所得とする。具体的には、各事業年度の益金の額から損金の額を控除した金額(繰越欠損金控除前のもの)とし、原則として、法人税の課税標準である所得の計算の例によって算定することとされているが、欠損金の繰越控除(法人税法57)及び災害損失金の繰越控除(法人税法58)に関しては、法人税の規定を適用しない(法72の18)。しかし、資産整理に伴う私財提供・債務免除等があ...
調査担当者は、現況調査時において現物確認を行った書類について、「預り証」を作成するので書類等の預かりたいとの申し出をすることがある。納税者とすれば、現物確認は原則として質問又は検査を行う場所で検討することとされていることを理由に、その場での確認をお願いするようにする。その場合に、調査の効率を上げるために、必要に応じて、コピーを提供する等の調査への協力を行うことにして、できるだけ、現物を預けることは避けることが望ましい。しかし、やむを得ず書類等を預ける場合は...
1.労働契約の解除使用者と労働者は労働契約で結ばれている。一般的に正社員・パートタイマーなど、その労働契約に労働期間を定めのない場合が多いが、この場合、使用者・労働者は互いにこの労働契約を解除する権利を持っている。解雇とは、使用者がこの労働契約を解除する権利を行使することをいう。また労働者側は、労働契約に契約期間の定めが無い場合には、いつでも一方的に任意退職の申し出を行うことが認められており、申出から原則として2週間後(就業規則などでこの期間を延長している...
1.暦年課税の申告贈与を受けた場合において、その年の1月1日から12月31日までの間に贈与により取得した財産の合計額が基礎控除額の110万円を超えるときは、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、その者の住所地を所轄する税務署長に贈与税の申告書を提出しなければならない(相法28①)。なお、「贈与税の配偶者控除」(相法21の6)や「住宅取得資金等の贈与を受けた場合の贈与税額の計算の特例(5分5乗方式)」(改正法附則123⑧)の適用を受けるために...
1.総額表示義務創設の趣旨消費税法の改正により、平成16年4月1日以降、消費者に対して値札・広告(ネット・メール等を含む)・チラシ・看板等により販売価格を表示する場合には、その消費者が支払うべき総額(消費税等の額を含む)を表示しなければならないことになった。現行の販売価格の表示は、「税抜価格表示」と「税込価格表示」のいずれによるかは事業者の選択に任されているため、両表示が混在している。そのような状況下においては、表示価格を見ただけでは、所持金(予算)の範囲...
医業収入のうち①保険診療収入
事業所得の金額=総収入金額-必要経費(1)医業収入①保険診療収入のうち、保険診療の一部負担金等の窓口受領保険医療機関は、被保険者または被保険者であった者については、一部負担金の支払いを受けるものとする(療養担当規則5条及び健康保険法74条)。よって、当該医療機関の職員や家族であっても一部負担金は徴収しなければならない。※但し、医師自らが自分自身を診療した場合には、保険請求...
⑤収益配分額に係る雇用安定控除の特例イ特例の内容雇用安定控除とは、雇用に対する影響への懸念に配慮した措置であり、この特例により、報酬給与額が収益配分額の70%を超える場合には、雇用や給与水準を維持した方が税負担が抑制される。特例の適用がある場合とは、その事業年度の収益配分額のうちその事業年度の報酬給与額の占める割合が70%を超えるケースをいい、付加価値割の課税標準の算定については、その事業年度の付加価値額から雇用安定控除額を控除する(法72の20①)。雇用...