経営研究レポート

MJS税経システム研究所・経営システム研究会の顧問・客員研究員による中小・中堅企業の生産性向上、事業活性化など、経営に関する多彩な各種研究リポートを掲載しています。

世界で一番やる気がないのは日本人(その3):『「見せかけの勤勉」の正体』(著:太田肇2010年PHP研究所)から19.自発的モチベーションの源は「所有感」「やらされ感」の反対語として使われる表現は「ワクワク感」や「ウキウキ感」だ。ワクワク、ウキウキするのは仕事が楽しい時、おもしろい時、刺激的な時である。確かにそれがやる気そのものであることは間違いない。しかし、自発的なモチベーションがわくのは、そのようにワク...
4.「借金漬けの会社」を継がせてはだめ家族的な事業統治形態(ファミリービジネス)は、日本の伝統とも言えるもので、経済が大きく発展した江戸時代には既に定着していたものと思われます。この伝統の源流は、大名や旗本に向けた規則、武家諸法度の「当主が数え年十七歳未満で死亡した場合は養子は許されず絶家になる」という決まりに拠るものです。つまり「旗本という事業」の将来にとって嫡男の存在意義がきわめて重要だったのです。この時代、町民たちにおいても事業を統治する頭領、頭目は...
パワーハラスメントから企業を守る方策とは様々な形で起こる労使間のトラブルの未然防止と、実情に即した迅速な解決を図ることを目的とした「個別労働紛争解決制度」は2001年10月に施行され、都道府県の労働局に設けられた総合労働相談コーナーに持ち込まれる相談の件数は増加の一途をたどっています。全国の総合労働相談コーナーで受け付けた民事上の個別労働紛争相談件数は、平成14年度には約103,000件でしたが、平成21年度には約247,000件と8年間で2.4倍にもなっ...
1.政治に翻弄された1年国も国民も政治に翻弄され、混迷を深めた1年―。2010年を総括すれば、それに尽きるのではないか。鳴り物入りで登場した民主党鳩山政権は、米軍普天間基地問題に象徴される体たらくで、1年ともたずに崩壊。その後を継いだ菅内閣も、尖閣事件、「政治とカネ」問題の放置、法相の失言辞任と失点続きで、支持率は早くも危険水域まで低下した。政治の軸が定まらない間に、日本経済の危機も深刻の度合いを深めている。製造業の海外移転は続き、学生の就職内定率は記録的...
1.はじめにこのシリーズの「戦略的医療機関経営その25」でも2010年度診療報酬改定の影響を報告しました。今回の報告は、同じ2010年度診療報酬改定が病院の経営にどのように影響したかに焦点を絞り報告致します。2.調査概要・日本病院会に加盟する病院を調査対象とする・調査期間:平成22年6月30日~7月31日・回答数(回答率):768病院(30.8%)3.一病院...
設備投資計画
1.設備投資の考え方実効的な経営計画を策定する場合、設備投資は大きなポイントを占めることになる。何故なら、外部資金ニーズが発生する可能性が高いからである。この設備投資が機能しないと、多くの場合、債務だけが残るということとなる。・維持設備投資・戦術的設備投資・戦略的設備投資がある。(1)「維持設備投資」
世界で一番やる気がないのは日本人(その2):『「見せかけの勤勉」の正体』(著:太田肇2010年PHP研究所)から8.根っこにあるものは一つ前号で「やる気の足かせ」になっているものを5つあげたが、どれか1つの「足かせ」が見られる職場では、大なり小なり他の「足かせ」も見られることが多い。例えば、部下を過剰に管理したがる上司は、一方で目標や課題をもっともっとと、つり上げる傾向がある。そのような上司がいる職場では有...
1.事業承継対策と中小企業(1)事業承継対策に係る中小企業経営者の認識事業承継は、経営者であれば誰でもがやってきたことで、決して目新しいことではありません。事業承継を作業として捉えるならば、取締役会において後継者を社長(代表取締役)に選任すれば済むことです。仮に後継予定者がまだ役員(取締役)でない場合であっても、取締役会に先立って株主総会を開催し役員選任決議というワンステップを踏むだけで良い。株主総会...
複線型採用による人材確保厳しい雇用情勢の中にあって、とりわけ深刻な状況となっているのが若者の雇用です。2010年に入ってからの15歳から24歳の年齢層の完全失業率は1月から8月までの平均で9.7%となっており、5%台前半から中盤で推移している全年齢での完全失業率から比べ相対的に高い水準となっています。こうした事態に対して政府も2010年9月に閣議決定した「新成長戦略」の中で新卒者や若者に対する就職支援の強化を盛り込むなどの対策を打ち出してきています。その一...
1.デフレを加速させるだけ10月5日、日銀は政策金利の下げ幅がほとんどなくなる「ゼロ金利」政策を発表した。日銀のゼロ金利は、バブル経済崩壊による急激な景気の冷え込みを背景に、過去に2回導入されたことがある。今の経済状況が当時と同じくらい深刻だという認識に立っての判断なのだろうが、今ゼロ金利にしても、景気回復に貢献するとは到底思えない。銀行が資金調達しやすくなり、企業などへの融資も促進されるというのが、ゼロ金利導入の「効果」として語られる。だが、「BIS規制...