会計研究レポート

MJS税経システム研究所・会計システム研究会の顧問・客員研究員による新会計基準や制度改正等をできるだけわかりやすく解説した各種研究リポートを掲載しています。

1.総資本の増減分析当期の総資本と前期の総資本とを比較して、比較貸借対照表の資産項目が総資本の増減にどのように影響するかという観点から分析するとき、総資本増減分析表を作成します。資産項目における増加は総資本の増加につながり、資産項目における減少は総資本の減少につながります。総資本増減分析表の例をあげると次のとおりです。
今回も、日本公認会計士協会・中小事務所等施策調査会研究報告第1号「「会計参与の行動指針」に関するQ&A」について解説をします。Q6:会計参与は、会社「成立の日における貸借対照表」を作成することになっていますが、設立時会計参与とはどのような関係にありますか。A:(1)会計参与は、「計算関係書類」の一つとして、会社法施行規則第2条第3項...
—ソフトウェア取引の収益の会計処理(その5)—1.はじめに今回は、前回に引き続き、企業会計基準委員会(ASBJ)より平成18年3月30日付けで公表された実務対応報告第17号「ソフトウェア取引の収益の会計処理に関する実務上の取扱い」(以下「実務対応報告」)について、解説をしていきます。「実務対応報告」で取り上げられている会計上の論点には、①ソフトウェア取引の収益認識、②ソフトウェア取引の複合取引、および③ソフトウェア取引の収益の総額表示という3つがありました...
−多通貨会計(3)−1.はじめに多通貨会計について前2回で、その記帳方法の基本と、資産や負債を取得時または発生時の為替相場で把握する場合を説明いたしました。今回は、多通貨会計を用いて、為替予約を行った場合の処理について説明することに致します。なお、為替予約は、投機目的で締結される場合とヘッジ目的で締結される場合がありますが、今回は投機目的を前提とした説明を行います。すなわち、為替予約が独立した取引である場合で説明いたします。為替予約は、将来に、約定した為替...
−EVAによる部門別業績管理(1)−部門別業績管理の締めくくりとして、子会社、社内カンパニー、事業部、製造部門、販売部門などのビジネス・ユニット(BU)の管理者(以下、部門管理者と総称します)を対象とする業績管理問題を議論します。すべてのビジネス・ユニットに株主価値の追求という共通目標を与えるためには、本部経営者の場合と同様に、部門管理者の報酬を株主価値に連動させることが必要となります。部門別のインセンティブ・システムの設計にあたっては、企業全体の業績目標...
1.現金の増減分析収支諸項目の増減が現金残高の増減に与える影響を明らかにするために、比較収支計算書より当期の収支と前期の収支との差額を求めその変化の原因を分析し、現金増減分析表を作成します。なお、比較貸借対照表から、貸借対照表諸項目の増減を、現金を増加させる原因と現金を減少させる原因という観点から現金増減分析を行...
「会計参与」の制度が動き出しました。この制度は、わが国の今回の新会社法において創設された制度であり、「世界にも類を見ない制度」として、今後の適用状況が注目されています。また、実務上、様々な問題点に対する問い合わせも多いため、このたび、日本公認会計士協会より、「「会計参与の行動指針」に関するQ&A」が公表されました。今回から数回にわたり、この「Q&A」の内容について解説をします。この報告書は、会計参与の実務の参考に資することを目的として、日本公認会計士協会・...
—ソフトウェア取引の収益の会計処理(その4)—
—ソフトウェア取引の収益の会計処理(その4)—1.はじめに今回は、前回に引き続き、企業会計基準委員会(ASBJ)より平成18年3月30日付けで公表された実務対応報告第17号「ソフトウェア取引の収益の会計処理に関する実務上の取扱い」(以下「実務対応報告」)について、解説をしていきます。前回は、市場販売目的のソフトウェア取引における収益認識および受注制作のソフトウェア取引における収益認識に関して、具体的に説明をしました。今回は、受注制作のソフトウェア取引につい...
−多通貨会計(2)−1.はじめに前回に説明したとおり、多通貨会計は、外貨建取引をそれぞれの外貨の種類が異なるごとに、その外貨の種類の単位で記録を行う記帳方法であり、複数の種類の通貨のあいだの取引については、両通貨のあいだをつなぐために通貨振替勘定を用います。そして、その外貨の種類ごとの記録に基づいて、それぞれの元帳や補助簿、試算表等を作成し、基本通貨に換算し、合算される時点において、それぞれの通貨ごとの試算表の諸項目について、その時点の為替相場等を用いて円...
−意思決定権限の配分(その4)−15.2デシジョン・マネジメントとデシジョン・コントロール意思決定のプロセスは、実行とフィードバックを含む循環的な活動として理解すべきであることは前回述べたところです。FamaandJensen[(1983)“SeparationofOwnershipandControl,”JournalofLaw&Economics,301-326.]は、決定権という視点から、意思決定のプロセスを次の4つのステップに分解しています。a.発...