会計研究レポート

MJS税経システム研究所・会計システム研究会の顧問・客員研究員による新会計基準や制度改正等をできるだけわかりやすく解説した各種研究リポートを掲載しています。

−戦略マネジメント・システムとしてのBSC(その3)−1.BSC導入の前提(2)—戦略遂行の流れ前回で説明したとおり、BSCだけを組織に取り入れても、機能しないので、BSCを導入する前提条件としては、マネジメントのしくみが確立されていることが不可欠になります。前回説明した、キャプランとノートン[KaplanandNorton,2001;2004]の議論にもとづき、戦略を策定する前提としての、ミッション、価値観、ビジョンに引き続き、戦略を遂行するための、(1...
今回は、「会計参与の行動指針」に関するQ&Aの「VIII(計算関係書類および会計参与報告の)備置き・開示」について解説をします。Q33:会計参与が閲覧・交付の請求に応じる時間については、どのような制限が認められるか。A:(1)計算関係書類および会計参与報告の閲覧・交付の請求には、原則として、会社...
—ソフトウェアの算定方法—1.はじめに今回は、「ソフトウェアの算定方法」について解説をします。前回は、平成17年12月27日に企業会計基準委員会(ASBJ)より公表され、平成18年12月22日に改正された「改正企業会計基準適用指針第10号:企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」(以下、「適用指針」という)において取り上げられている、企業結合時に生じる識別可能な無形資産の認識およびそれら無形資産の算定方法について、解説をしました。具体的には...
-その他の複合金融商品の設例-1.はじめに払込資本を増加させる可能性のある部分を含まない複合金融商品(その他の複合金融商品)については、前回において説明しましたように、それに組み込まれたデリバティブが次の3つの要件を満たした場合には、組込対象である金融資産または金融負債とは区分して時価評価し、その評価差額は当期の損益として処理されます(いわゆる、「区分処理」)。
−EVAによる部門別業績管理(7)−(1)業績改善目標(EI)(続き)今回のレポートでは、EVAt、Bt、kを説明変数とする企業価値MVtの予測モデルを利用した分析を紹介することにします。市場は様々なファクターを考慮して企業価値を予測しているはずですが、そのなかでもEVAt、Bt、kが重要なファクターであるとすれば、それらの変数とMVtの間には統計的に有意な関係があると考えられます。それらに関する過去データの回帰分析から、当社の予測モデルが次のように導出さ...
戦略マネジメント・システムとしてのBSCーその21.戦略マネジメント・システムとしてのバランスト・スコアカードわが国においてバランスト・スコアカード(BalancedScorecard:BSC)に関する本は、すでに70冊程度のものが出版されています。しかしながら、それらのうち、BSCを戦略マネジメント・システムとして扱ったものはどの程度か不明です。当初、キャプランとノートンがスコアカードのみをBSCとして紹介した1992年には、業績を測定するシステムとして...
今回は、「会計参与の行動指針」に関するQ&Aの「VI個別事項」及び「VII会計参与報告」について解説をします。VI個別事項Q27:会計参与は、「計算関係書類作成に当たっての行動指針(個別事項)」に挙げられている各勘定科目の手続を実施すれば、十分に職務を遂行したことになるか。A:(1)「計算関係書...
その他の複合金融商品1.はじめに今回は、その他の複合金融商品を取り上げます。その他の複合金融商品に関する会計処理については、「金融商品に関する会計基準」(以下、金融商品会計基準)(平成18年8月11日)では、原則として、それを構成する個々の金融資産または金融負債の区分することなく、一体として会計処理することを求めています。ただし、一体として会計処理することが不適切と考えられる場合には、区分処理が求められます。特に、複合金融商品に組み込まれたデリバティブにつ...
EVAによる部門別業績管理(6)(1)業績改善目標(EI)(続き)ΔEVAが生じる期間を無限に拡張すると、以前のEVAと企業価値の関係は次のように修正されることを述べました。ここで、上式右辺の第1項と第2項の合計は、EVAが現状のまま推移したときの企業価値です。したがって、これは以前のレポートで紹介したCOV(...
1.戦略マネジメント・システムとしてのバランスト・スコアカード(1)企業の経営環境の変化と戦略マネジメント・システムの必要性1)企業の経営環境の変化と戦略的経営の必要性企業経営を取り巻く環境が、前世紀末の十数年間だけを見ても、大きく変化しつつあります。このような経営環境の変化の本質を一言で表現するならば、安定した経営環境から変化の速度が激しい経営環境への移行であるといえます。変化の速度が激しい経営環境にあっては、意思決定や業績管理の条件が安定していることを...