最新裁判例紹介

「最新裁判例紹介」では、法令の解釈や実務においての事実認定が先例となるような注目度の高い税務判例を紹介しています。"判決の要旨"だけに注視せず、原因となった"主たる争点"も明記。また、専門家による解説も記載しております。税務処理の判断材料として、皆様の実務にお役立てください。

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2017/06/19 税理士業、不動産貸付業等を営む個人事業者である原告が、原告の妻Ａを専ら原告の税理士業に従事する青色事業専従者に該当するとして支払った給与の額につき、Ａは各関連会社の代表取締役等として業務に従事しており、青色事業専従者には該当しないとされた事例

〈主たる争点〉本件は、税理士業、不動産貸付業等を営む個人事業者である原告が、平成21年分ないし平成23年分（以下「本件各係争年分」という。）において、原告の妻Ａを専ら原告の税理士業（以下「本件事業」という。）に従事する青色事業専従者に該当するとして支払った給与の額を事業所得の金額の計算上必要経費に算入するなどし...

2017/06/12 馬券の的中による払戻金について、控訴人による一連の馬券の購入が一体の経済活動の実態を有するものといえず、「営利を目的とする継続的行為から生じた所得」に該当しないから、一時所得に該当するとされた事例

〈主たる争点〉本件は、控訴人の所得税の確定申告について、処分行政庁が、控訴人が競馬の勝馬投票券（以下「馬券」という。）が的中することによって得た払戻金（以下「本件払戻金」という。）は一時所得に該当するとして、所得税に係る各更正処分等をしたのに対し、控訴人が、本件払戻金は一時所得に該当せず、また、仮に一時所得に該...

2017/06/05 租税特別措置法66条の６第１項に規定する特定外国子会社等に該当する香港所在の原告の関連会社の主たる事業は、卸売業（製造問屋）ではなく製造業であり、これを中国所在の各工場において行い、本店の所在する香港において行っていたとはいえないから、所在地国基準を満たさず、原告は外国子会社合算税制の適用除外を受けることはできないとされた事例

〈主たる争点〉本件は、原告が、平成20年４月１日から平成21年３月31日までの事業年度（以下「平成21年３月期」という。）及び平成21年４月１日から平成22年３月31日までの事業年度（以下、平成21年３月期と併せて「本件各事業年度」という。）の法人税につき確定申告をしたところ、税務署長から、本店が中華人民共和国...

2017/05/22 相続税の申告後に改正された財産評価基本通達に基づき相続財産を評価すると納付すべき税額が過大となることを理由とする更正の請求について、法定申告期限から５年を経過した後にされたものであり、更正等の期間制限の特例を定める国税通則法71条１項等に定められた理由に当たらず、同法70条１項の期間制限の適用を受けるとされた事例

〈主たる争点〉本件は、原告らが、亡Ａを相続し、財産評価基本通達に基づいて相続財産を評価して相続税の申告をしたが、その後、同通達が改正され、改正後の同通達に基づいて相続財産を評価すると上記申告により納付すべき税額が過大となったため、平成27年法律第９号による改正前の通則法（以下「法」といい、平成23年法律第114...

2017/05/15 バーやキャバレー等の各店舗に勤務するホステスに支払った金員が、雇用契約又はこれに類する原因に基づき、使用者からの指揮命令に服したことの対価といえるから、所得税法204条１項６号のホステス報酬（事業所得）ではなく、所得税法28条１項の給与所得に該当するとされた事例

〈主たる争点〉本件は、バーやキャバレー等を経営する原告が、処分行政庁から、各店舗に勤務するホステスら（以下「本件ホステスら」という。）に支払った報酬又は料金（以下「本件支給金員」という。）は給与所得に当たるとして、平成20年８月から同年12月（以下「本件告知期間」という。）までの各月分の源泉徴収に係る所得税の各...

2017/05/08 相続財産である土地の一部について、小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例の適用を受けるためには、当該特例の適用の対象となり得る全ての土地を取得した相続人全員の同意が必要であり、相続人全員の選択同意書を申告書に添付していないから、当該土地の一部について当該特例を適用することはできないとされた事例

〈主たる争点〉本件は、被相続人が死亡したことによって開始した相続（以下「本件相続」という。）における共同相続人（以下「本件相続人ら」という。）のうちの１人である原告が、相続財産中の甲土地の持分（被相続人が全て原告に相続させる旨の遺言をしたもの。以下「甲土地相続分」という。）について、被相続人と生計を一にしていた...

2017/04/17 匿名組合の営業者が匿名組合契約に基づき匿名組合員に対して利益の分配として支払った金員について、当該支払の全てが営業者による粉飾された損益計算に基づくもので、利益の分配として行うことができないものであったとしても、当事者間において出資の払戻しとして取り扱う旨の性質決定が改めて行われ、それに沿った清算処理等が行われていない以上、当該支払は「匿名組合契約に基づく利益の分配」という課税要件事実を充足するとされた事例

〈主たる争点〉本件は、破産者合同会社Ａ（以下「破産会社」という。）が、同社を営業者として匿名組合員との間で締結した匿名組合契約（以下「本件匿名組合契約」という。）において、匿名組合員に対して利益の分配として支払った金員につき、税務署長から源泉徴収に係る所得税（以下「源泉所得税」という。）の納税の告知及び不納付加...

2017/04/10 液晶ディスプレイ用ガラス基板の製造に用いるプラチナ（減価償却資産以外の固定資産）を調達するためのリース契約に基づき、リース終了日において時価によるリース資産（プラチナ）の買取りを選択し、支払額からリース契約開始時のリース資産の時価を控除した金額を特別損失として計上したことについて、特別損失計上額はプラチナの取得価額の一部に当たるから、特別損失には当たらないとされた事例

〈主たる争点〉液晶ディスプレイ用ガラス基板の製造及び販売を業とする会社である原告は、その製造に用いるプラチナ（減価償却資産以外の固定資産に該当するもの）を調達するため、Ａ社及びＢ社との間で、平成17年６月から平成18年９月にかけて、リース終了日において①リース資産を購入すること（以下「本件各買取選択権」という。...

2017/04/03 法人税の確定申告で租税特別措置法42条の12の４《雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の特別控除》の適用を失念していた場合において、更正の請求の際に控除明細書を添付しても、確定申告書等に控除明細書の添付がなければ、当該更正の請求により特別控除の適用を受けることはできないとされた事例

〈主たる争点〉本件は、原告が、法人税及び復興特別法人税の各確定申告において、租税特別措置法（平成26年法律第10号による改正前のもの。以下「措置法」という。）42条の12の４の規定による特別控除（雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の特別控除。以下「本件特別控除」という。）の適用を失念していたとして、同条...

2017/03/27 日用雑貨等の販売業において、商品を購入した顧客から返品又は交換等の申出を受けた際に使用する「お客様返金伝票」と題する伝票綴りについて、文書の形態及び記載内容等から、その全体が「一の文書」として「帳簿」に該当するものと認められ、各文書がそれぞれ1冊の帳簿として「判取帳」（印紙税法別表第1の20号）に当たるとされた事例

〈主たる争点〉本件は、控訴人が、処分行政庁から、控訴人の作成した「お客様返金伝票」と題する伝票綴り（売場控とする伝票を残して保存されていた綴り270冊をいい、以下「本件各文書」という。）が印紙税法に規定する課税文書である「判取帳」（同法別表第1課税物件表の20号）に該当するとして印紙税の過怠税の各賦課決定処分を...

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