アウトライン審査事例

国税不服審判所が示した審査請求事件の裁決例は、正確な税務処理を行っていくうえで見落とせません。アウトライン審査事例では実務家の皆様にとって実用性の高い裁決事例を簡潔に紹介。併せて、参照条文も記載しておりますので、実務上の判断の一助としてお役立てください。

1112件中 (31 - 40件表示)
<< 最初 < 前のページ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 次のページ > 最後 >>
2023/09/04 関係法人に対する調査着手後に提出された修正申告書は、自身の不正の行為がいずれ発覚し、更正されるという認識の下でなされたとして、加算税が適用された事例（棄却）
【裁決のポイント】修正申告書の提出があったときは、過少申告加算税が課され、仮装隠ぺいがあるときは過少申告加算税に代えて重加算税が課される。しかし、修正申告書の提出が、「その申告に係る国税についての調査があったことにより当該国税について更正があるべきことを予知してされたものでない場合において、その申告に係る国税についての調査に係る事項の通知がある前に行われたとき」...
続きを読む
2023/08/28 国内他社の発注に基づいた輸出について、輸出許可の申請や、輸出許可通知書の保存状況から、適用条件を満たし、審査請求人において輸出免税の適用を受けることができると判断された事例（一部取消し）
【裁決のポイント】消費税法第7条《輸出免税等》第1項第2号は、その課税資産の譲渡等が輸出取引等に該当するものであることにつき、「財務省令で定めるところにより証明されたもの」でない場合には、輸出免税を適用しないと規定している。税関長から交付を受ける輸出許可があったことを証する書類（輸出許可通知書）の保存は、「証明されたもの」に該当する。日用雑貨等の輸出業を営む法人...
続きを読む
2023/08/21 国税不服審判所は、原処分庁が行った処分が違法又は不当なものであるか否かを判断する機関である、として審査請求人の主張を退けた事例（棄却）
【裁決のポイント】給与所得者の審査請求人は、平成28年分から平成30年分までの所得税について、外国為替証拠金取引や株式等の譲渡取引によって生じた所得が無申告で、税務署から決定処分等を受けた。税務署は、平成28年分の所得計算で、平成28年中に生じた先物取引による利益の金額から請求人が期限後申告をした平成27年分確定申告書に記載された先物損失金額を控除した。審査請求...
続きを読む
2023/08/14 取締役に対して、「報酬決定書」に記載された金額以外に支払われた賃金部分の金額があることについて、過大役員給与はないと判断された事例（全部取消し）
【裁決のポイント】役員給与の「不相当に高額な部分」の判定には、実質基準（職務の内容や収益、使用人給与や類似業種の役員給与との比較等を総合勘案した額を基準とする）と形式基準（定款規定または総会等の決議で定められた支給限度額を基準とする）があり、それぞれの過大部分の額と判断された額のいずれかの多い方の金額が、過大な役員給与として損金不算入となる（法人税法施行令第70...
続きを読む
2023/08/07 鉱山工事に使用する重ダンプに、「中小企業者等が機械等を取得した場合の特別控除」の適用が認められた事例（一部取消し）
【裁決のポイント】税法上には、「車両及び運搬具」や「自走式作業用機械」の定義がない。本件は、重ダンプトラックについて、「機械及び装置」であるとして、租税特別措置法第42条の6《中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除》または第42条の12の4《中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除》の特別控除を...
続きを読む
2023/07/31 不正な指南等は、税理士業務に含まれないから、その報酬は、事業所得ではなく雑所得に該当するとした事例（全部取消し）
【裁決のポイント】本件の審査請求人（当時は税理士）が代表者を務める複数の法人は、顧問先と業務委託契約を締結し、振り込まれた報酬の一部が、顧問先に返金されていた（このプロセスは他と共謀した罪にあたり、審査請求人は高裁の有罪判決が確定）。税務署は、業務委託報酬は、顧問先との委託契約の当事者である各法人ではなく、当該業務の経営主体である審査請求人個人に帰属する、そして...
続きを読む
2023/07/24 自宅兼店舗の焼肉店に対して税務署が採用した推計方法には合理性があり、審査請求人が主張する特定期間の伝票等を基にした推計方法は正確性が担保されていないと判断された事例（棄却）
【裁決のポイント】納税者が実額を算出するに足りる帳簿書類を保存しないため、課税庁が、やむを得ず間接資料により所得金額を認定する方法が推計課税である。選択された推計の方法が、最もよく実際の所得金額に近似した数値を算出し得る合理性を有するか否かは、(1)正確性（推計の基礎事実（数値）が正確に把握されているか）、(2)最適性（あらゆる推計方法との比較において、当該事案...
続きを読む
2023/07/10 審査請求人が購入し、関連会社へ譲渡された電子マネーについて、審査請求人の業務との関連性がある用途に使用されたことが確認されたものについては、売上原価として認められた事例（全部取消し、一部取消し）
【裁決のポイント】法人税法第22条第1項は、「内国法人の各事業年度の所得の金額は、当該事業年度の益金の額から損金の額を控除した金額とする」と規定され、同条第3項は、「内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、次に掲げる額とする」とし、当該事業年度における（第1号）収益に係る売上原価等の額、（第2...
続きを読む
2023/07/03 帳簿を作成していなかったものの、隠蔽、仮装と評価すべき積極的な行為が存在して、これに合わせた無申告行為があったとは認められないとして、重加算税が取り消された事例（全部取消し）
【裁決のポイント】悪質な納税義務違反の発生を防止する重加算税制度の趣旨に鑑みて、隠匿等の積極的な行為がなくとも、納税者が当初から法定申告期限までに申告しないことを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした上、その意図に基づき無申告になった場合には、重加算税の賦課要件が満たされるものと解されている。特段の行動の立証責任は税務署側にある。本件の審査請求...
続きを読む
2023/06/26 税務署に対して、確定申告書の提出の一時保留を通知し、異議があるとの回答が無かったから容認されたという審査請求人の主張は、正当な理由に該当しないとされた事例（棄却）
【裁決のポイント】無申告加算税は、法定申告期限内に適法に申告し納税した納税者との間の客観的不公平の実質的な是正を図るとともに、無申告による納税義務違反の発生を防止し、適正な申告納税の実現を図るための行政上の措置であり、その趣旨に照らせば、無申告加算税が課されない「正当な理由があると認められる場合」（国税通則法第66条第1項ただし書）とは、災害、交通や通信の途絶な...
続きを読む
1112件中 (31 - 40件表示)
<< 最初 < 前のページ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 次のページ > 最後 >>