税金ワンポイント

税務に関するニュースの中でも、注目度の高いトピックスを取り上げ紹介していく税金ワンポイント。主要な改正情報はもちろん、税務上、判断に迷いやすい税金実務のポイントを毎週お届けします。速報性の高い、タイムリーな情報を皆様の実務にお役立てください。

会社法施行により、会社の機関として会計参与が設けられたが、依然としてその設置が進んでいないことが東京商工会議所の調べで明らかになった。会計参与は、取締役と共同して計算書類の作成・説明・開示などを行う会社内部の「機関」で、会計参与に就任できるのは税理士や公認会計士等の会計専門家に限定されている。会計参与の設置は企業の任意となっているため、設置が進んでいない状況だ。東京商工会議所が実施した「会社法施行後1年における中小企業の対応状況に関する調査」は東京23区内...
平成19年度税制改正を受けて、減価償却に関する制度が変わったことは周知の通りだが、改正を巡り税制と会計の乖離が鮮明となっている。税法上、減価償却費の計上は企業の任意となっているが、会計上は規則通りの計上が求められている。企業が取得した固定資産は従来、税法上の損金算入が認められていた取得価額の95%(償却可能限度額)までしか償却できなかったが、平成19年度改正により、残りの5%についても償却が可能となり、この分については償却可能限度額に達した翌年度以降、5年...
19年度税制改正大綱で、耐用年数の短縮に関し、汎用性のある事例を公表することとされたが、これを受けて国税庁は最近の3件の事例を公表した。今回公表されたものは、「ドライビングシュミレーター」、「オートロック式パーキング装置」、「電子計算機システム周辺装置製造設備」の短縮事例であり、短縮申請の手続きの流れ、短縮申請書の様式等も合わせて公表されている。それぞれの具体的な短縮年数は、まず、ドライビングシュミレーターが、本来は別表第二の「前掲の機械および装置以外のも...
役員給与については、会社法との関連で会計上は経費処理が要求されることから、従来の利益処分役員賞与的な給与の支給を株主総会で決定する場合に、その金額を引当計上するケースが多いものと見られるが、こうした役員給与は、利益連動給与に該当しない限り損金不算入とされるため注意が必要だ。周知の通り、役員給与については、定期同額給与、事前確定届出給与、利益連動給与のいずれかに該当しない限り、原則として損金不算入とされている。このため、従来の利益処分的な給与を支給すれば損金...
平成18年度改正で、役員退職金の損金算入について損金経理要件が廃止されたが、このほど公表された法人税基本通達の改正では、その損金算入時期が整理され、役員退職金の支払確定事業年度ではなく実際の支払年度に損金算入するためには損金経理が要件とされている。改正前の法人税基本通達では、役員退職金は、実際に支給した年度か支給が確定した年度に「損金経理」した場合に損金算入が認められていた。改正後は損金経理要件が廃止されたため、役員退職金の支払が確定した事業年度で損金算入...
19年度税制改正で注目を集めている減価償却制度に関し、このほど改正された耐用年数省令では、新制度での償却限度額の計算に対応して、耐用年数表別表第十の償却率等が全面的に改正された。まず、定率法償却率は、定額法償却率の250%相当の償却率が定められたが、注目されていた耐用年数2年の償却率は、1.000とされた。このため、期首から事業供用された資産はその事業年度中に、期中に事業供用された場合には足かけ2年度で償却されることになる。また、定率法適用資産を定額法償却...
国税庁はこのほど平成18年度改正に対応して、法人税基本通達等を改正した。今回の改正は、役員給与、特殊支配同族会社、交際費課税等に関する取り扱いの改正が中心となっており、すでに同庁のQ&Aで明らかにされている事項の大半も通達として取り込まれた。まず、役員給与関係では、定期同額給与、事前確定届出給与、利益連動給与のそれぞれについて取扱いが定められたが、このうち定期同額給与関連では、給与を減額する場合の経営状態に著しい悪化が例示されており、一時的な資金繰りの悪化...
いわゆる種類株式については、税制改正大綱で、相続税評価の明確化が図られることにされていたが、国税庁はこのほど、中小企業庁からの文書照会に対する回答という形で、同族株主が取得した種類株式の評価の取扱いを公表した。まず、配当優先株式については、類似業種比準価額方式の場合には、他の株式と区分して「1株あたり配当金額」を計算し、純資産価額方式の場合には、配当優先株式の有無にかかわらず、従来どおり評価することとされる。また、無議決権株式については、①法定申告期限まで...
役員給与をめぐっては、出向者が出向元では従業員、出向先では役員となっている場合の扱いに注目が集まっていたが、出向先法人が出向元法人に支払う出向負担金を法人税法34条の役員給与とみなして同条の規定を適用することで決着することになった。出向者をめぐっては、出向先には出向元である親会社から実際の支給金額が知らされないことが多く、定期同額給与の処理や事前確定届出給与の届出を出向先で行わなければならない場合の問題が指摘されていた。今回、出向負担金そのものが法人税法3...
19年度改正では、減価償却関連の改正が行われ、すでに残存簿価が5%に到達している減価償却資産について、償却を復活させて備忘価額を残して5年間の均分償却が認められることになるが、所得税では、本則どおり「償却限度額」ではなく5分の1ずつ強制的に減価償却を行うこととなる。周知の通り、法人税では、減価償却費は法人が損金経理した金額のうち、償却限度額までの金額が損金算入されることになっており、事実上任意償却が認められている。これに対して所得税では減価償却費を強制的に...