会計研究リポート

MJS税経システム研究所・会計システム研究会の顧問・客員研究員による新会計基準や制度改正等をできるだけわかりやすく解説した各種研究リポートを掲載しています。

1.直接原価計算によるセグメント別損益計算書このシリーズの(17)から、直接原価計算方式の損益計算書を利用することを検討してきました。これまでに、経営管理に役立つ管理会計手法として説明してきた直接原価計算には、問題点がま...
「中小企業向けIFRS」の適用対象、財務諸表の目的
1.はじめにこのシリーズでは、2015年に国際会計基準審議会(InternationalAccountingStandardsBoard:IASB)が公表した「改訂版中小企業向け国際財務報告基準」(以下、「中小企業向けIFRS」という)について解説しています。今回は、「中小企業向けIFRS」が適用対象としている企業と、中小企業の財務諸表の目的について説明します。2.適用対象となる中小企業「完全版IFRS...
1.戦略的ESG経営の必要性ESGへの取り組みはコストがかかるばかりで、業績に結びつかない。そのように考える経営者は少なくありません。事実、ESGに取り組んだからといって、それがすぐに業績に現れることはほとんどないと言ってよいでしょう。ESGへの取り組みは、企業イメージや信頼の向上、リスクの減少、従業員の意識変革、イノベーションの増加など、組織内外の様々な要因に長期に渡って影響を与え、これを通じて間接的...
2019年12月、IASBより公開草案ED/2019/7「全般的な表示及び開示(注1)」が公表されました(以下、ED(2019)といいます)。当該ED(2019)は、国際会計基準の財務諸表、とくに損益計算書に大きくかかわるものとなります。そのため、その議論の行方によっては、国際会計基準を任意適用している日本企業にも影響を与える可能性があります。本レポートでは、当該E...
1.キャパシティ・コストを区分した直接原価計算によるセグメント別損益計算書このシリーズの(17)から、直接原価計算方式の損益計算書を利用することを検討しています。
新たなリース会計基準に係る重要な検討項目(その7)
はじめに周知のとおり、2019年3月22日に開催された企業会計基準委員会において、借手側においてはすべてのリース取引について資産及び負債を認識する会計基準の開発への着手が了承されました。その後、新たなリース会計基準の開発に向けて、企業会計基準委員会及びリース会計専門委員会において、議論が行われてきました。今回は、「一括借上契約と建設請負工事契約が同時に締結される場合の会計処理」についての議論の内容と今後...
原価管理の全体像
1.はじめに本シリーズでは、経営・会計において欠かせない原価管理の考え方を紹介します。第1回は、原価管理の概要を確認した後、標準原価管理の必要性とその進め方について説明します。2.原価管理についてコロナ感染症の影響が長引くなか、顧客数の低迷などのために事業計画で予定していた売上高を達成できずに困っているという読者も多いかと思います。売上高が思うように伸びない場合に企業が利益を生み出すには、業務にかかる原...
中小企業向け国際財務報告基準の全体像
1.はじめに2009年に、国際会計基準審議会(InternationalAccountingStandardsBoard:IASB)は、「中小企業向け国際財務報告基準」(InternationalFinancialReportingStandardforSmallandMedium-sizedEntities。以下、「中小企業向けIFRS(初版)」)を公表しました。その後、改訂作業が行われ、2015年に...
1.経営計画実現のための業績指標の設定組織が向かうべき方向とそのゴールを明らかにするために、経営層はその代理変数となる適切な業績指標を設定する必要があります。事実、多くの企業は自社の経営計画に関連付けて様々な業績指標を設定しています。一例として、MJSグループの中期経営計画『Vision2025』では、2025年度までに実現すべき業績指標とその目標値として、ROE(自己資本利益率)20%以上、売上高成長...
新たなリース会計基準に係る重要な検討項目(その6)
はじめに周知のとおり、2019年3月22日に開催された企業会計基準委員会において、借手側においてはすべてのリース取引について資産及び負債を認識する会計基準の開発への着手が了承されました。その後、新たなリース会計基準の開発に向けて、企業会計基準委員会及びリース会計専門委員会において、議論が行われてきました。今回は、「変動リース料」についての議論の内容と今後の方向性を紹介します。7.変動リース料(1)IFR...