「給与所得の源泉徴収票」は、給与等を支払った全ての者について作成し交付することとされているが、税務署に提出するものは、下記のものに限られている。また、給与の支払者が税務署に提出する支払に係る給与所得の源泉徴収票には、給与の支払を受ける者等のマイナンバー又は法人番号を記載する必要がある。ただし、受給者に交付する給与所得の源泉徴収票には、マイナンバー及び法人番号を記載しないので、要注意だ。

税務署に提出するものは、まず、「年末調整をしたもの」では、(1)法人の役員(現に役員をしていなくても、その年中に役員だった者を含む)は、その年中の給与等の支払金額が150万円を超えるもの。なお役員には、相談役、顧問その他これらに類する者が含まれる。(2)弁護士、司法書士、税理士等は、その年中の給与等の支払金額が250万円を超えるもの、(3)上記(1)(2)以外の者については、その年中の給与等の支払金額が500万円を超えるもの。

次に、年末調整をしなかったものは、(1)「給与所得者の扶養控除等申告書」の提出者で、その年中に退職した者や、災害により被害を受けたため給与所得に対する所得税等の源泉徴収の猶予を受けた者は、その年中の給与等の支払金額が250万円を超えるもの。ただし、法人の役員は、50万円を超えるもの。(2)「給与所得者の扶養控除等申告書」の提出者で、その年中の主たる給与等の金額が2000万円を超えるため、年末調整をしなかったもの。

さらに、(3)「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出しなかった者(給与所得の源泉徴収税額表の月額表又は日額表の乙欄又は丙欄の適用者)については、その年中の給与等の支払金額が50万円を超えるもの、が「給与所得の源泉徴収票」の提出範囲となる。そして、「給与所得の源泉徴収票」は、上記提出範囲に該当するものを、支払者の所轄税務署へ支払いの確定した年の翌年の1月31日までに提出しなければならない。

また、給与等の支払いを受ける者には、その年の翌年の1月31日まで(年の中途で退職した者の場合は、退職の日以後1ヵ月以内)に全ての受給者に交付しなければならない。なお、「給与所得の源泉徴収票」の提出枚数は、税務署へ提出するのは1枚だが、租税条約等により日本と自動的情報交換ができる各国等に住所がある者の分については、同じものを2枚提出。市区町村に提出する「給与支払報告書」も、同じものを2枚提出する。

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