核燃料税は、原子力発電所を立地する自治体が、電気事業者に対して地方税として課税しているものだが、総務省は、今年7月20日に福井県から協議に付されていた核燃料税の更新(2026年11月9日まで)について、10月1日付けで同意した。福井県の核燃料税は、1976年に原子力発電所の立地や施設の稼動に伴う安全対策、民生・生業安定対策等の施策に要する費用を賄うための法定外普通税として、全国に先駆けて創設された。

しかし、2011年3月の東日本大震災に伴う福島第1原発の事故による原発に対する安全性への危惧や厳しい国民感情、また設置が義務づけられたテロ対策施設の工事などを背景に、全国の原発の稼働が相次いで停止中(定期検査中)となった。原発設置自治体では核燃料税の安定した税収確保のため、原発の稼働休止中でも課税できる方式への条例改正が行われた。

福井県では2011年11月から「発電用原子炉に挿入された核燃料の価額」に加えて、「発電用原子炉の熱出力」に対して、2016年11月には発電用原子炉施設における使用済燃料の貯蔵に課税する新たな課税方式をスタートさせ、5年間の適用期限を迎えるごとに、総務大臣へ更新の協議を行い同省が同意していている。今回の更新で同県は、出力割を約12%上げ、搬出促進割の単価を1.5倍にする。

更新後の福井県の核燃料税は、(1)発電用原子炉への核燃料の挿入(価額割)、(2)発電用原子炉を設置して行う運転および廃止に係る事業(出力割)、(3)発電用原子炉施設における使用済燃料の貯蔵(搬出促進割)に対して課税して、税収見込額は初年度18億6900万円、平年度153億6600万円(平年度)となる。ちなみに、2019年度の税収実績は約111億円だった。

なお、10月4日現在で稼働中の原発は、関西電力の美浜発電所、大飯発電所、高浜発電所(すべて福井県)、九州電力株式会社の玄海原子力発電所(佐賀県)及び川内原子力発電所(鹿児島県)となっている。

福井県「核燃料税」の更新は↓
https://www.soumu.go.jp/main_content/000771429.pdf

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