国税庁は2月末、電子帳簿保存法に関する「一問一答」に新たな問答を1問追加した。追加されたのは、「インターネットバンキングを利用した振込等は、電子取引に該当するのでしょうか。また、該当する場合には、どのようなデータを保存すべきでしょうか」という電子取引データの保存に関連したもの。この質問に対し、電子取引のデータは「オンライン上の通帳等による保存も可能」と回答している。

解説によると、インターネットバンキングを利用した振込等も、電子取引に該当するとした上で、電子帳簿保存法上、保存しなければならないその電子取引の取引情報に係る電磁的記録については、金融機関の窓口で振込等を行ったとした場合に受領する書面の記載事項(振込等を実施した取引年月日・金額・振込先名等)が記載されたデータ(電磁的記録)となる。

インターネットバンキングを利用した支払等は、その取引情報の正本が別途郵送されるなどといった事情がない限り、EDI取引(商取引で発生する発注書や納品書、請求書などの証憑類を電子化し、取引先と専用回線で接続してデータでやり取りする取引)として電子取引に該当するとした。

この場合に、電子帳簿保存法上、保存しなければならないその電子取引の取引情報に係る電磁的記録については、金融機関の窓口で振込等を行ったとした場合に受領する書面の記載事項(振込等を実施した取引年月日・金額・振込先名等)が記載されたデータ(電磁的記録)であり、そのデータ(又は画面)をダウンロードする又は印刷機能等によってPDFファイルを作成するなどの方法によって保存することになる。

なお、振込依頼を受け付けた旨のみが単に画面に表示される場合については、その旨は、取引に関して受領し、又は交付する書類に通常記載される事項ではなく、取引情報には該当しないことから、2021年度の税制改正前においても出力書面等を保存する必要がなかったことからも明らかなように、電子帳簿保存法上、その旨が記載された電磁的記録(又は画面)を保存する必要はないとしている。

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