温室効果ガス2030年46%減、2050年カーボンニュートラルの実現には、民間企業による脱炭素効果の高い投資の加速が不可欠であるとともに、技術進展や市場環境等の動向に応じて必要な分野に対する支援を機動的に講じていくことが必要となる。このため、2024年度税制改正では、カーボンニュートラルに向けた投資促進税制を、中長期的な予見可能性をもって設備投資を行える制度に見直す。

同投資促進税制について、(1)中小企業者(適用除外事業者に該当するものを除く)が生産工程効率化等設備の取得等をする場合の特別償却率及び税額控除率を、認定エネルギー利用環境負荷低減事業適応計画に記載された炭素生産性向上率の区分に応じて、「炭素生産性向上率」17%以上は、特別償却率50%又は税額控除率14%、「炭素生産性向上率」10%以上17%未満は、特別償却率50%又は税額控除率10%とする。

(2)対象資産から、需要開拓商品生産設備並びに生産工程効率化等設備のうち市場に流通している照明設備及び対人空調設備を除外する。(3)事業適応計画(生産工程効率化等設備の導入を伴うエネルギー利用環境負荷低減事業適応に関するものに限る)の認定要件のうち事業所等の炭素生産性向上率に係る要件について、炭素生産性向上率を15%以上(中小企業者は10%以上)(現行:7%以上)に引き上げる。

(4)中小企業者以外の法人が生産工程効率化等設備の取得等をする場合の税額控除率引上げの適用要件について、事業所等の炭素生産性向上率を20%以上(現行:10%以上)に引き上げる。(5)事業適応計画の認定要件のうち事業所等の炭素生産性向上率に係る要件及び税額控除率引上げの適用要件について、上記(3)及び(4)のほか、事業所等の炭素生産性向上率を計算する際に電気の排出係数による影響等を除外する等の見直しを行う。

(6)対象法人を2026年3月31日までに事業適応計画の認定を受けた法人とし、対象資産をその認定を受けた日から3年以内に、取得等をして、事業の用に供する資産とする。2024年4月1日前に認定の申請をした事業適応計画に従って同日以後に取得等をする資産については、本制度を適用しないこととする。以上のカーボンニュートラルに向けた投資促進税制の見直しは、所得税についても同様とする。

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