消費税免税店(輸出物品販売場)店舗数は2023年9月30日現在で5万6577店となり、昨年3月31日(前回調査)からの半年間で5.5%(2927店)の増加となったことが、観光庁のまとめで分かった。免税店数の内訳としては、三大都市圏で同5.6%増の3万5191店、三大都市圏を除く地方で同5.2%増の2万1386店。増加の要因は、新型コロナの影響により減少していた外国人旅行者数の回復が影響しているとみられる。

観光庁の発表によると、昨年9月30日現在での都道府県別の消費税免税店数は、「東京都」が1万4755店(対2023年3月31日比4.3%増)で最も多く、次いで「大阪府」6045店(同7.7%増)、「神奈川県」3321店(同6.3%増)、「福岡県」2872店(同7.0%増)、「北海道」2833店(同2.7%増)、「千葉県」2706店(同2.5%増)、「愛知県」2679店(同12.5%増)、「埼玉県」2009店(同4.6%増)と続いている。

一方で、最も少ないのは「島根県」の88店(対2023年3月31日比0.0%)、以下、「徳島県」107店(同5.9%増)、「福井県」132件(同22.2増)、「鳥取県」137店(同6.2%増)、「高知県」144店(同14.3%増)、「秋田県」156店(同4.7%増)と続く。また、三大都市圏と地方部の免税店の割合の推移をみると、2012年4月1日時点で27.5%(1148店)だった地方部は、2023年9月30日時点には37.8%(2万1386店)まで拡大している。

なお、外国人旅行者向け免税制度は、2024年度税制改正において、抜本的な見直しが行われる方針が明らかにされた。その背景には、足下で多額・多量の免税購入物品が国外に持ち出されず国内での横流しが疑われる事例が多発していることや、また、出国時に免税購入物品を所持していない旅行者を捕捉し即時徴収を行っても、その多くが滞納となり、同制度の不正利用は看過できない状況となっていることがある。

こうした現状を踏まえ、免税販売の要件として、新たに政府の免税販売管理システムを通じて取得した税関確認情報(仮称:免税店で免税購入対象者が免税購入した物品を税関長が国外に持ち出すことを確認した旨の情報)の保存を求めることとし、外国人旅行者の利便性の向上や免税店の事務負担の軽減に十分配慮しつつ、空港等での混雑防止の確保を前提として、2025年度税制改正において、制度の詳細について結論を得ることとしている。

観光庁のまとめは↓
https://www.mlit.go.jp/kankocho/page02_000206.html

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