総務省はこのほど、政府の経済対策を裏付ける2023年度補正予算の成立を受けて、普通交付税の再算定結果を公表した。それによると、2023年度の地方交付税(普通交付税)不交付団体は前年度より4団体多い77団体(道府県分1=東京都のみ、市町村分76)と、7月の当初算定と同じだった。76市町村のうち、福島県西郷村、福井県おおい町、山梨県忍野村、山中湖村、静岡県湖西市などの7市町が新たに不交付団体になった。

地方交付税は、地方公共団体間の財源の不均衡を調整するため、地方法人税の全額と国税の一定割合を国が地方に再配分するもの。このため、不交付団体は財政が豊かともいえる。2007年に142あった不交付団体は、リーマンショック後の2009年には95団体、2010年には42団体に急減。これを底に以後徐々に増えてきた。2023年度は77団体に増え、その結果、交付団体は46道府県、1642市町村の計1688団体となった。

総務省が公表した2023年度の普通交付税の再算定結果による再算定の内容は、(1)地方団体が、経済対策の事業等を円滑に実施するために必要な経費を算定するため、基準財政需要額の臨時費目として「臨時経済対策費」を創設。(2)地方団体が臨時財政対策債を償還するための基金の積立てに要する経費を算定するため、基準財政需要額の臨時費目として「臨時財政対策債償還基金費」を創設となっている。

決定した2023年度普通交付税の額は、道府県分が9兆5027億円(当初決定額比2938億円増)、市町村分が8兆3004億円(同2498億円増)の総額17兆8030億円(同5436億円増)にのぼる。都道府県別にみると、「北海道」が6503億1000万円で最も多く、次いで、「兵庫県」(3594億3500万円)、「大阪府」(3386億300万円)、「福岡県」(3074億700万円)と続いている。不交付の東京都を除くと、最少は「愛知県」の1236億3500万円だった。

なお、税制改正等により、地方に減収が生じた場合に特例的に交付される地方特例交付金は、既存のものとしては、個人住民税における住宅ローン減税の実施に伴う地方公共団体の減収を補てんするための個人住民税減収補填特例交付金があり、2023年度は市町村分で1315億6600万円が決定している。これらの地方特例交付金は、いずれも普通交付税の交付・不交付にかかわらず、全地方公共団体が交付対象となる。

2023年度普通交付税の算定結果等は↓
https://www.soumu.go.jp/main_content/000916036.pdf

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