財務省が公表した、2023年9月末時点での国債や借入金などを合計した「国の借金」は、過去最大だった2023年6月末から7039億円減って1275兆6116億円となった。2023年度の税収総額は約69兆円と6年連続で過去最高を更新する見通しだが、高齢化による社会保障費の膨張に加え、物価高対応の財政支出などがあるため、補正予算後は約44.5兆円の新規国債発行で歳入不足を賄う予定だ。国の借金は膨張が止まらない。

9月末の国の借金は、6月末に比べ、国債は▲約2.8兆円の約1131.2兆円で全体の約89%を占め、うち普通国債(建設国債、赤字国債等)は約0.8兆円増の約1027.4兆円と過去最大だった3月末からも0.3兆円増えた。その内訳は、長期国債(10年以上)が約7.8兆円増の約793.7兆円、中期国債(2年から5年)も約4.8兆円増の約191.7兆円と増加したが、短期国債(1年以下)が▲約11.8兆円の約42兆円と全体を押し下げた。

この「国の借金」約1275.6兆円は、2023年度一般会計補正予算後の歳出総額127兆5804億円の約10倍、同年度税収見込み額69兆4400億円の約18.4倍にあたる。年収500万円のサラリーマンが9200万円の借金を抱えている勘定だ。また、わが国の今年10月1日時点での推計人口1億2434万人(総務省統計局の概算値)で割ると、国民1人当たりの借金は、2023年6月末時点の約1025万円から約1026万円に増加している。

わが国の公債残高(普通国債残高)は年々増加の一途を辿っているが、2023年9月末実績の公債残高約1027.4兆円が、2023年度末(2023年度当初予算ベース)では約1068兆円が見込まれる。2023年度一般会計予算税収見込み額約69.4兆円の約15年分に相当し、国民1人当たり約857万円にのぼり、将来世代に大きな負担を残す。ちなみに、国及び地方の長期債務残高は2023年度末(当初予算ベース)で約1280兆円に膨らむ見込み。

2023年9月末現在の国債及び借入金等の現在高は↓
https://www.mof.go.jp/jgbs/reference/gbb/202309.html

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