チャットボット(税務職員ふたば)は、個人の質問に対し、AI(人工知能)が自動回答するもの。国税庁はこのほど、そのチャットボットの年末調整に関する相談の対応が始まったと発表した。同庁は、個人の国税に関する相談は、チャットボットを気軽に利用するよう呼びかけている。チャットボットは、質問したいことをメニューから選択するか、自由に文字入力すればAIが自動回答する。土日、夜間でも、24時間利用できる。

チャットボットは、年末調整に関する相談(2023年分)、所得税の確定申告に関する相談(2022年分)、消費税の確定申告に関する相談(2022年分)、インボイス制度に関する相談、に対応している。今回開始された年末調整の相談では、従業員が年末調整の各種申告書を作成する際に問合せが多い事項に対応している。例えば、年末調整の各種申告書の内容、書き方、添付する書類に関することがある。

さらに、年末調整で適用される控除に関することや、2023年分の税制改正に関すること、マイナポータル連携などによる年末調整の手続きの電子化に関する質問、転職をした場合や育児休業を取得した場合など、その人の状況に応じて行う年末調整の手続きに関すること、年末調整のながれ(年税額の計算)や過不足額の精算に関する質問、などに対応しており、税務署の相談室に電話等で相談しなくても、手軽に回答が得られる。

なお、国税庁では、チャットボット利用の際の注意事項を示している。それは、このチャットボットは、AIを活用したシステムによる自動応答で、有人によるチャットではないことから、質問の意図をAIが認識しない場合には、表現を変えて再度入力すること。個人情報は入力しないこと。相談が多い事項に対応しているので、すべての質問に対応しているわけではないこと。相談範囲について、それぞれ過去の年分には対応していないこと。

さらには、所得税の確定申告及び年末調整については、日本国内の居住者の相談を前提にしていること。回答は一般的な事項について説明しており、確定申告などの各種手続きは、その申告内容も含め自己の判断と責任において行うこと。回答は、専門用語を一般的な用語に置き換えて説明している場合があり、回答に不明な点がある場合には、タックスアンサー等を確認すること、などを挙げて注意を呼びかけている。

この件については↓
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/chatbot/index.htm

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