国税庁の2023年度末の定員は5万5985人となることが、同庁が23日に発表した2023年度予算の概要で分かった。定員については、要求段階では消費税不正還付やインボイス制度の円滑な導入への対応等から1192人の増員を求めていたが、1178人の新規増員にとどまり、定員合理化計画に基づく合理化目標数が▲1141人あることから、差し引き37人の純増となった。同庁の定員は7年連続で増加し、2023年度末の定員は5万5985人となる。

同庁の2023年度の機構については、(1)税務行政のデジタル化、(2)新たな国際課税ルール、(3)消費税不正還付や租税回避等、 (4)日本産酒類の振興、などへの対応のため認められた。税務行政のデジタル化への対応では、東京局に情報システム部(仮称)を新設。新たな国際課税ルールへの対応では、国税庁に課長補佐(国際業務課2名、調査課1名)を増設。消費税不正還付への対応では、消費税専門官を6名税務署に増設する。

経済取引のグローバル化・デジタル化等による調査・徴収事務の複雑化への対応では、国税庁に課長補佐(課税総括課・消費税室各1名)、東京局に課長補佐1名、大阪局に情報技術専門官1名、国際税務専門官を東京局1名、大阪局2名、査察機動専門官を東京局1名、それぞれ増設するほか、税務署に特別国税調査官、統括国税調査官を各3名増設。日本産酒類の振興への対応では、酒類業振興専門官を仙台局、名古屋局に1名ずつ、新設する。

また、業務センター室拡充への対応として、統括国税管理官を東京局6名、大阪局4名、名古屋局2名、金沢・広島・高松・福岡各局1名の計16名、主任国税管理官を東京局66名、大阪局42名、名古屋局21名、金沢局・広島局各8名、高松局・福岡局各6名、仙台局4名、札幌局2名、沖縄事務所1名の計164名、それぞれ増設。そのほか、国税庁の企画課データ活用推進室に課長補佐1名を増設などする。

一方、2023年度予算の経費関係については、2022年度当初予算額に比べ2.6%(約162億円)増の約6417億円が認められた。人件費を除く主な一般経費をみると、申告書用紙や通信費などが含まれる「庁・局署一般経費」として▲0.4%の約599億円を始め、「職場環境整備・安全対策経費」が▲5.2%の約76億円、「納税者利便向上経費」が11.4%増の約29億円、「税制改正関係経費」が9.6%増の約21億円などとなっている。

定員・機構関係の概要は↓
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2022/teiin_kiko/01.htm

経費関係の概要は↓
https://www.nta.go.jp/information/release/pdf/0022012-030.pdf

提供:株式会社タックス・コム