総務省は12月9日、2022年度第2次補正予算で増額した地方交付税の配分状況についてまとめた「2022年度普通交付税再算定大綱」を閣議報告した。それによると、地方交付税(普通交付税)不交付団体は7月の当初算定より6団体減少の67団体(道府県分1=東京都のみ、市町村分66)となった。普通交付税の総額は、当初予算額より4671億円(2.8%)増加して17兆4376億円となった。

地方交付税は、地方公共団体間の財源の不均衡を調整するため、地方法人税の全額と国税の一定割合を国が地方に再配分するもの。このため、不交付団体は財政が豊かともいえる。2007年に142あった不交付団体は、リーマンショック後の2009年には95団体、2010年には42団体に急減。これを底に以後徐々に増えてきた。2022年度は再算定後67団体に増え、その結果、交付団体は46道府県、1652市町村の計1698団体となった。

今回の再算定後、交付団体となったのは、宮城県大和町、東京都国立市・瑞穂町、静岡県富士市、愛知県高浜市・日進市の6市町。新たに不交付団体となった市町村はない。総務省は、再算定の内容として、「臨時経済対策費」の創設と算定方法を示した。地方団体が、経済対策の事業や経済対策に合わせた独自の地域活性化策等を円滑に実施するために必要な経費を算定するため、基準財政需要額の臨時費目として「臨時経済対策費」を創設。

また、算定方法は、道府県分と市町村分は同額程度を算定。人口を基本とした上で、物価高騰対策、地域活性化策、こども・子育て世代への支援等に関する客観的な指標を用いて算定した。算定に用いる指標としては、一人当たり事業所数、一人当たり各産業売上高、人口増減率、年少者人口比率、出生率を挙げている。市町村分においては、条件不利地域に該当する団体に対して割増ししている。

再算定した2022年度普通交付税の額は、道府県分が9兆3368億円(当初算定額比2.6%増)、市町村分が8兆1008億円(同3.0%増)の総額17兆4376億円(同2.8%増)にのぼる。都道府県別にみると、「北海道」が6489億4700万円で最も多く、次いで、「兵庫県」(3460億6400万円)、「大阪府」(3109億5900万円)、「福岡県」(2899億5400万円)と続いている。不交付の東京都を除くと、最少は「香川県」の1276億2500万円だった。

2022年度普通交付税の再算定結果は↓
https://www.soumu.go.jp/main_content/000850131.pdf

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