国税庁の2022年度末の定員は5万5969人となることが、同庁が12月24日に発表した2022年度予算の概要で分かった。定員については、要求段階では、軽減税率制度実施や租税回避などへの対応から1209人の増員を求めていたが、1180人の新規増員にとどまり、定員合理化計画に基づく合理化目標数が▲1145人あることから、差し引き35人の二ケタの純増となった。同庁の定員は6年連続で増加し、2022年度末の定員は5万5969人となる。

同庁の2022年度の機構については、(1)税務行政のDX、(2)消費税不正還付や租税回避等、 (3)日本産酒類の振興、などへの対応のため認められた。税務行政のDXへの対応では、国税庁企画課にデジタル化・業務改革企画官(仮称)、データ活用企画官(仮称)を各1名新設。消費税不正還付への対応では、消費税専門官(仮称)を東京局など5国税局に各1ポスト新設するほか、消費税専門官を13名税務署に増設する。

また、調査・徴収事務の複雑化等への対応では、課長補佐を関東信越局2名、東京・名古屋・大阪の3局に各1名の計5名、情報技術専門官を東京局に2名、国際税務専門官を東京・大阪・福岡の3局に各1名、査察情報分析専門官を名古屋局に1名、それぞれ増設するほか、税務署に国際税務専門官を1名増設などする。日本産酒類の振興への対応では、酒類業振興専門官(仮称)ポストを関東信越・東京・大阪の各局に1名ずつ新設する。

そのほか、業務センター室拡充への対応として、統括国税管理官を仙台局2名、札幌・東京・福岡の3局に各1名の計5名、主任国税管理官を10局(名古屋局14名、東京局9名、仙台局8名、広島局5名、札幌局4名、福岡局・関東信越局各3名など)に計50名を、それぞれ増設。納付指導専門官(仮称)を各局に計16名新設、課長補佐を名古屋局に1名、実務指導専門官を金沢局に1名、それぞれ増設などする。

一方、2022年度予算の経費関係については、2021年度当初予算額に比べ▲1.7%(約15億円)減の約6254億円となった。人件費を除く主な一般経費をみると、申告書用紙や通信費などが含まれる「庁・局署一般経費」として1.1%増の約605億円を始め、「職場環境整備・安全対策経費」が7.5%増の約80億円、「酒類業振興事業経費」が2.4%増の約20億円、「税制改正関係経費」が▲13.4%の約19億円などが認められている。

定員・機構関係の概要は↓
https://www.nta.go.jp/information/release/pdf/0021012-073.pdf

経費関係の概要は↓
https://www.nta.go.jp/information/release/pdf/0021012-072.pdf

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