国税庁が9月29日に公表した2019年分民間給与実態統計調査結果によると、2019年1年間を通して民間企業に勤めた給与所得者の平均給与は436万円で、前年に比べ▲1.0%(4万3千円)減少した。平均給与は7年ぶりの減少。調査結果によると、2019年12月31日現在の給与所得者数は、前年に比べ1.3%増加の5990万人。給与総額は231兆6046億円(前年比3.6%増)、所得税額は11兆1395億円(同0.7%増)だった。

給与所得者のうち、1年を通じて勤務した給与所得者数は、前年比4.6%増の5255万人(正規3486万人、非正規1215万人)となり、7年連続で過去最多を更新している。その平均給与436万円の内訳は、平均給料・手当が同▲1.3%減の366万円と5年ぶりの減少、賞与は同0.9%増の70万円と3年連続で増加した。平均給料・手当に対する平均賞与の割合は前年から0.2ポイント増の19.1%となった。

男女別の平均給与は、男性が前年比▲1.0%減の540万円だったが、女性は同0.8%増の296万円で過去最高額となった。また、正規、非正規別にみると、1人当たりの平均給与は、正規が同▲0.0%の503万円、非正規は同▲2.5%減の175万円とともに減少し、2.9倍の差がある。平均給料・手当は、正規が同0.2%増の408万円、非正規は同▲2.3%減の166万円、賞与は、正規が同0.2%増の97万円、非正規は同▲5.6%減の8万円だった。

平均給与を業種別にみると、「電気・ガス・熱供給・水道業」が824万円と突出して高く、次いで「金融業、保険業」の627万円、「情報通信業」の599万円が続き、対して最も低いのは「宿泊業、飲食サービス業」の260万円、次いで「農林水産・鉱業」の297万円、「サービス業」の359万円だった。対前年の伸び率をみると、増加したのは、14業種中、「電気・ガス・熱供給・水道業」(8.6%増)を始め4業種のみだった。

1年を通じて勤務した給与所得者5255万人のうち、源泉徴収により所得税を納税している人は全体の84.9%(前年比▲0.2%減)を占める4460万人で、前年より4.3%増加した。その納税額(源泉徴収税額)は10兆7737億円で、納税者の給与総額に占める税額の割合は5.04%(前年5.10%)、納税額は前年に比べ2.1%増加している。なお、給与総額全体に占める税額の割合は4.70%(同4.76%)だった。

同実態統計調査結果の概要は↓
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2020/minkan/pdf/2019chosakekka.pdf

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