国税庁はこのほど、国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入についての新しい質疑応答をホームページ上に公開した。照会者は、補助金の交付を受けて機械装置及び構築物の取得を検討している法人。補助金はA協会連合会とB機構からそれぞれ支払われている。A協会連合会からの補助金は、国が一定の目的の普及促進を図るため、一定の機械装置を取得する法人に対して同連合会を通じて交付するもの。

この補助金は、(1)国からの補助金を財源としていること、(2)補助金の交付決定にA協会連合会の裁量が入るものではないこと、(3)国の監督の下に交付されるものであること、(4)国から交付された補助金が遅滞なく対象法人に交付されるものであること、が確認されている。一方、B機構からの補助金は、国が災害対応能力の強化を図るため一定の構築物を取得する対象法人に対してB機構が造成する基金を通じて交付するもの。

このB機構からの補助金については、上記(1)~(3)に加えて、(5)B機構に支払われる補助金のうち対象法人に交付する補助金部分とB機構の事務費部分とが区分されていること、(6)基金における資金の出入りを国が確実に管理していること、(7)基金の運用収入及び基金の取崩しによる収入は事務費等にしか充てることができない規程になっていること、が確認されている。

いずれの補助金も、国から直接交付されているものではないため、形式的には法人税法第42条(国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入)に規定する「国庫補助金等」に該当しないと考えられるが、その実質は国からの補助金であるとして圧縮記帳の対象としていいかという照会である。なお、これらの補助金は、全て固定資産の取得に充てることとされているため、固定資産の取得以外に充てられるものはないとしている。

これに対し国税庁は、法人税法第42条の圧縮記帳の対象となる国庫補助金等とは、固定資産の取得又は改良に充てるための国又は地方公共団体の補助金等で、対象法人に対して直接交付されるものをいうが、本件のように間接交付される補助金であっても、補助金交付団体は国に代わって補助金の交付事務を行っているに過ぎず、実質的に国から直接交付を受けたものと認められる場合には、国庫補助金等に該当するものと考えられる。

また、国からの補助金が、補助金交付団体が造成する基金から対象法人に対して交付される場合についても同様であるとし、いずれも照会者意見のとおり解して差し支えないとした。

この件については↓
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/hojin/07/11.htm

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