新型コロナウイルス感染症への対応に必要な予算が組み込まれた第二次補正予算案は、6月8日に国会に提出されたが、これとあわせて、休業手当を受けることができない労働者に関する新たな給付制度「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金」の創設等が盛り込まれた「新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律案」も同日、国会に提出された。

同法案によると、休業手当を受けることができない労働者に関する新たな給付制度として、新型コロナウイルス感染症等の影響により事業主が休業させ、休業期間中に休業手当を受けることができなかった被保険者に対し、「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金」を支給する事業が実施できる。中小企業の被保険者に対し休業前賃金の80%(月額上限33万円)を休業実績に応じて支給する。

雇用保険の被保険者でない労働者についても、上記に準じて給付金を支給する事業が実施できる。これらの給付金について、公租公課や差押え禁止及び調査、報告に関する規定の整備等の規定を整備する。また、新型コロナウイルス感染症等の影響による求職活動の長期化等に対応し、雇用保険の基本手当(いわゆる失業手当)の受給者について、給付日数を60日(一部30日)延長できることとする。

「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金」については、雇用調整助成金の支給申請と相まって注目されており、休業手当の支払いとの兼ね合いや、その支給までの手続き方法等に関心が集まっている。税制上の取扱いでは、新型コロナウイルスの影響で事業者が従業員等を休業させた場合に支払う休業手当は、あくまでも賃金なので、所得税の課税対象となり、源泉徴収が必要になるが、同休業支援金の税務上の取扱いはどうなるのか。

休業手当が課税対象である以上、同休業支援金も課税対象となるとの見方もあるが、どうやら非課税として取り扱われる公算が強いようだ。5月26日に開催された労働政策審議会(職業安定分科会雇用保険部会)では、同休業支援金を規定する「新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律案」の要綱が議題となり、同休業支援金は非課税とする方向で議論がなされたという。

提供:株式会社タックス・コム