国税庁では、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける飲食店が酒類のテイクアウト販売を新たに行おうとする場合、通常の酒類小売業免許とは別に、期限付きの「料飲店等期限付酒類小売業免許」を設け、簡素かつ迅速な手続きで免許を付与している。4月10日から申請を受け付け、これまでに、全国で2万件以上の免許を付与しており、各飲食店においてその免許をそれぞれに活用してもらっている。

そこで、同庁は今回、酒類のテイクアウト販売を行う飲食店に参考にしてもらうとともに、飲食店による酒類のテイクアウト販売について一般にも広く周知するため、同期限付酒類小売業免許の活用事例をまとめ、HP上に公表した。活用事例は、酒販店と飲食店が連携してテイクアウト販売に取り組む事例や、飲食店、酒類メーカー、酒販店が連携してテイクアウト販売に取り組む事例など8事例が掲載されている。

例えば、酒販店と飲食店が連携してテイクアウト販売に取り組む事例では、酒販店Aが、地域の飲食店に対してテイクアウト販売を提案。この提案を受け10以上の酒販店が参加し、酒蔵から仕入れた地酒等を居酒屋等に卸している。居酒屋Bでは、日替わりのテイクアウト用の料理に合わせて厳選した地酒を提供している。専用の1合瓶も販売し、客が参加各飲食店に持参・使用している。

また、飲食店、酒類メーカー、酒販店が連携してテイクアウト販売に取り組む事例では、居酒屋Iを中心に、酒類メーカー、酒販店、飲食店等の参加を募り、飲食店のテイクアウト販売を支援するプロジェクトを開始した。飲食店の在庫酒類をプロジェクト限定の専用酒として販売し、ラベルやチラシをフリー素材として提供。酒類メーカーでは、プロジェクト限定の新商品を開発した。15程度の関係事業者が参加している。

料飲店等期限付酒類小売業免許は、飲食店が酒類を販売する場合、酒類小売業免許が必要だが、飲食店が、新型コロナウイルス感染症に起因して、在庫酒類の持帰り販売等により資金確保を図るものについて、迅速かつ簡素な手続きで酒類小売業免許を付与するもの。飲食店を経営している事業者が対象、申請期限は2020年6月30日まで、免許期限は免許日から6ヵ月、販売対象は既存の在庫をはじめ既存の仕入先からの販売に限られる。

「料飲店等期限付酒類小売業免許の活用事例」は↓
https://www.nta.go.jp/taxes/sake/kansensho/pdf/0020005-066.pdf

提供:株式会社タックス・コム