財務省は2月1日、2020年度「所得税法等の一部を改正する法律案」を1月31日に国会に提出したことを明らかにした。同法案には、持続的な経済成長の実現に向け、オープンイノベーションの促進に係る税制上の措置や連結納税制度の抜本的な見直し、経済社会の構造変化を踏まえ、全てのひとり親家庭の子どもに対する公平な税制の実現やNISA(少額投資非課税)制度の見直しなどが盛り込まれている。

個人所得課税では、未婚のひとり親に対する税制上の措置及び寡婦(寡夫)控除を見直し、婚姻歴の有無や性別にかかわらず、生計を一にする子(総所得金額等が48万円以下)を有する単身者について、同一の控除(控除額35万円)を適用する。また、NISA制度の見直し・延長では、つみたてNISAを5年延長し、一般NISAは、積立・分散投資を促進する観点から見直しを行った上で、5年延長する。

法人課税では、(1)オープンイノベーションの促進に係る税制の創設、(2)大企業の研究開発税制等の租税特別措置の不適用措置等の見直し(設備投資要件の引上げ)、(3)5G導入促進税制を創設し、全国5G基地局の前倒し整備及びローカル5Gの整備に係る一定の設備投資に対する税額控除又は特別償却、(4)連結納税制度について、企業グループ内の各法人を納税単位としつつ、損益通算等の調整を行う仕組み(グループ通算制度)に移行する。

消費課税では、たばこ税を見直し、軽量な葉巻たばこ(1本1グラム未満)について、最低税率を設定(本数課税への見直し)し、たばこ税率の引上げにあわせて段階的に引き上げる。納税環境整備では、消費税の申告期限を延長する特例の創設や、国外財産調書制度等を見直す(加算税の特例等の見直し)。そのほか、住宅用家屋の所有権保存登記等に係る登録免許税の軽減措置の延長(2年)など、期限切れ租税特別措置の延長がある。

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