政府は20日、NISA制度の見直しやオープンイノベーションの促進に係る税制措置の創設などを盛り込んだ2020年度の税制改正大綱を閣議決定した。来年召集予定の通常国会に税制改正法案を提出し、今年度中の成立を目指す。閣議決定された税制改正大綱によると、2020年度税制改正による増減収見込額は、平年度で国税が80億円の増収、地方税が13億円の増収となり、合計93億円の増収を見込む。

国税をみると、個人所得課税では「企業年金・個人年金制度等の見直し」が10億円の減収、法人課税では「オープンイノベーションの促進に係る税制措置の創設」が150億円の減収、「5G導入促進税制の創設が」が130億円の減収となる一方で、法人課税で「交際費等の損金不算入制度の見直し」での140億円、「賃上げ及び投資の促進に係る税制の見直し」での90億円の増収などがあり、平年度では差し引き80億円の増収となる見込み。

地方税関係をみると、個人住民税での「未婚のひとり親に対する税制上の措置及び寡婦(夫)控除の見直し」が7億円の減収、法人事業税での「電気供給業に係る収入金額課税方式の見直し」が175億円の減収などがあるが、一方で、固定資産税で「一般送配電事業者が新設した変電所又は送電施設に係る課税標準の特例制度の廃止」での80億円の増収などがあり、平年度では差し引き13億円の増収を見込む。

なお、国税では、法人に係る消費税の申告期限の特例の創設によって、2020年度に帰属する予定だった消費税額の一部(240億円)が、納付時期のずれにより、2021年度税収に帰属することになる。また、地方税では、森林環境譲与税の見直しによる譲与額の増加は初年度200億円、国税の税制改正に伴う特別法人事業譲与税の減収額は初年度▲1億円、平年度▲2億円と見込まれている。

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