今年6月末現在の法人数は前年から0.8%増の313万2千法人で、うち2018年度内に決算期を迎え今年7月末までに申告した法人は、同1.2%増の292万9千法人だったことが、国税庁が17日に発表した2018事務年度の法人税等の申告事績で分かった。その申告所得金額は同3.7%増の73兆3865億円と9年連続で増加して過去最高額となり、申告税額の総額も同2.6%増の12兆7922億円と2年連続で増加した。

法人の黒字申告件数は101万7千件(前年対比2.8%増)で、黒字申告割合は前年度を0.5ポイント上回る34.7%となり、8年連続で上昇した。黒字申告割合は2014年度以降5年連続で30%台となった。もっとも、法人の黒字申告割合は、過去最高だった1973年度(65.4%)の半分前後の低い数字が、1993年度から26年も続いていることになり、法人の黒字申告割合はいまだ低水準が続いている。

黒字法人の申告1件あたりでは前年度に比べて0.9%増の7215万6千円となった。一方で、申告欠損金額は同▲4.8%減の13兆541億円、赤字申告1件あたりの欠損金額も同▲5.1%減の682万7千円と、ともに減少。前年度は企業業績の二極化傾向にあったが、2018年度は全体が改善されたことがうかがえる。ちなみに、申告欠損金額のピークは1999年度の33兆2791億円だったので、2018年度は約39%まで減少したことになる。

なお、今年6月末現在の連結法人数は、親法人が1850法人(前年対比1.6%増)、子法人が1万4026法人(同4.3%増)の計1万5876法人(同4.0%増)だった。このうち、7月末までに申告した親法人は1783件(同1.3%増)で、その黒字申告割合は前年度に比べ▲1.2ポイント減少の65.1%。申告所得金額は同▲2.4%減の13兆8413億円となり、申告欠損金額は同72.2%増の1兆5613億円と大幅に増加する結果となった。

連結納税での申告書に添付された個々の親法人・子法人の決算内容の届出書をみると、届出件数1万5248件(前年対比4.5%増)のうち、黒字分は67.2%にあたる1万242件(同3.5%増)、赤字分が5006件だった。連結納税でなければ、黒字申告割合は7割近くに達し、総個別所得金額も16兆2503億円(同▲4.4%減)にのぼる。企業グループ内の個々の法人の所得と欠損を通算して所得が計算できる連結納税の効果は大きいことがうかがえる。

2018事務年度の法人税等の申告事績の概要は↓
http://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2019/hojin_shinkoku/pdf/hojin_shinkoku.pdf

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