大阪府は宿泊税の課税対象を今年10月から1泊7千円以上に引き下げる。総務省は昨年末、大阪府と協議していた宿泊税の見直しについて同意している。大阪府の宿泊税は、ホテルや旅館などの素泊まりの宿泊者を対象に1人1泊につき宿泊料金を、(1)1万円以上1万5千円未満、(2)1万5千円以上2万円未満、(3)2万円以上に区分し、それぞれ100円、200円、300円を徴収するもので、2017年1月から導入されている。

大阪府では、その後、2017年7月1日から簡易宿所及び国家戦略特別区域法に規定する認定事業に係る施設(特区民泊)の宿泊者も課税対象に追加。さらに、昨年10月1日から宿泊税の課税対象に民泊施設を追加した。これは、昨年6月15日の住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行により、特区民泊以外でも住宅(戸建住宅やマンションなどの共同住宅等)の全部又は一部を活用しての民泊事業が増加することを想定したもの。

今回の見直しの内容は、宿泊料金1泊「1万円以上1万5千円未満」の課税設定を「7千円以上1万5千円未満」に今年10月から変更するもの。この背景には、外国人旅行者等の宿泊者数が増加している一方で、急増する民泊やホテルの開業による価格競争の激化に伴い平均宿泊単価が下落していることがある。それに伴い、大阪府は、2017年度の税収見込額を当初より3億円も少ない7億7千万円に修正した。

税収見込額の修正とともに、観光の振興を図る施策として予定していた「無料の公衆無線LANの整備」や「観光施設の多言語表示事業」などを見送らざるを得なかったため、今回、課税最低限を1万円以上から「7千円以上」に引き下げ、税収増を図る。今回の見直しにより、収入額は、平年度19億8300万円を見込んでいる。なお、大阪府の宿泊税の見直しは、導入年の2017年から毎年行われている。

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