東京税理士会は、会員が受けた税務調査について、(1)事前通知の実施状況、(2)無予告調査、(3)調査件数、調査内容及び調査日数、(4)調査結果、重加算税処分などの実態把握を目的に、2018年度「税務調査アンケート」を実施した。調査結果(有効回答数1748会員)によると、対象期間(17・7~18・6)に2542件の税務調査があり、このうち「納税者のみに通知があった」件数は166件(6.5%)で、前年より3.3ポイント減少し改善した。

通知がなかった無予告調査件数は134件(5.3%)で、このうち「事前通知はなかったが、税務調査が速やかに開始されたもの」が114件(85.1%)だった。無予告調査は、納税者の負担が特に大きいことから、東京会では、「正確な課税標準等又は税額等の把握を困難にするおそれがあるとき」又は「調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められるとき」以外は避け、事前通知は要しないとの判断は慎重にするよう求めている。

回答のあった調査件数2462件の内訳は、「法人税(消費税含む)」が1890件と約77%を占め、「所得税(同)」が272件、「相続税(含む贈与税)」が155件、「消費税(単独調査)」が74件、「その他国税」が71件。調査内容は、「帳簿・証憑」が2085件(84.7%)で大半を占めているが、他の調査内容については、(1)「現金・預金」(30.5%)、(2)「机・書庫・金庫」(12.2%)、(3) 「パソコン等」(10.1%)などの順に多くなっている。

調査日数については、2462件中、「1日」で終了したものが560件で23.2%(前年比2.7ポイント増)を占め、「2日」が1223件で50.8%(同6.9ポイント%増)と、1~2日で終了したものが全体の74.0%を占めた。また、「3~4日」は406件で16.9%(同0.3ポイント増)のほか、「5日以上」が218件で9.1%(同9.9ポイント減)となり、5日以上の件数が大きく減少する一方で、1~2日で終了した調査件数が増加している。

調査結果については、回答のあった2256件のうち、「申告是認」が522件(23.1%)、「修正申告」が1699件(75.3%)、「更正」が35件(1.6%)。修正申告・更正1734件のうち、「重加算税処分」となったものは323件(20.6%)だった。なお、調査官の態度としては、「良かった」が30.9%(昨年度36.9%)、「悪かった」が9.7%(同9.8%)、「普通」が59.4%(同53.3%)で、昨年度と同様、「良かった」と「普通」で9割以上となった。

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