日本自動車工業会はこのほど、自動車税の引下げなどを求める2019年度税制改正に関する要望書を公表した。来年10月の消費税引上げが、自動車販売へ影響することへの懸念から、消費者の税負担感を払拭したい狙いがある。過去の消費税引上げ後の自動車販売台数をみると、税率が3%から5%に引き上げられた1997年は前年比101万台減、5%から8%に引き上げられた2014年は前年比75万台減と大きく影響した。

自動車の保有時には自動車税(または軽自動車税)と自動車重量税がかかるが、自動車税と自動車重量税の税負担合計を欧米諸国と比べると、イギリスの約2.4倍、ドイツの2.8倍、米国との比較ではなんと31倍に達している。このため、国際的に過重な自動車税の税率を、国際水準並みに低い現行の軽自動車税を起点に引き下げ、来年10月の消費税引上げ後の新車からの引下げを実施するよう求めている。

また、自動車重量税については、道路特定財源の一般財源化により課税根拠を失っており廃止すべき税目だが、まずは本来の税率に上乗せされている「当分の間税率」を早急に廃止すべきとしている。一方、自動車の取得時には消費税とともに自動車取得税がかかるが、来年10月の消費税引上げ後の自動車の取得時の税については、現行の税負担より十分な軽減を図るべきとした。

これらの要望の背景には、消費税引上げへの対応とともに、複雑・過重な自動車関係諸税の簡素化・負担軽減の実現がある。そのほか、期限切れとなる「自動車重量税のエコカー減税」及び「自動車税・軽自動車税のグリーン化特例」は、技術開発の促進や次世代自動車の普及促進の観点から延長すべきことや、「自動車取得税のエコカー減税」は、現行のまま自動車取得税廃止まで延長すべきことなどを求めている。

自工会の税制改正要望書は↓
http://www.jama.or.jp/tax/PDF/20180920.pdf

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