農林水産省の2019年度税制改正要望は、農協法改正に伴う組織変更を全面的にサポートする内容となった。都道府県農協中央会から組織変更した農協連合会のうち、事業内容等が都道府県農協中央会と同等であるものに係る税制上の所要の措置として、法人税の取扱いを変えず税負担が増えないようにする措置を要望。農協法改正に伴う組織変更後も、その会員である農業協同組合等をサポートする姿勢を示した。

農協法の改正により、都道府県農協中央会は、2019年9月末までに農協連合会に組織変更することとなるが、これまでに、組織変更後の農協中央会に関して、会員からの賦課金を財源に、農協等の行う農業の成長産業化に向けた事業活動に対する相談、総合調整、意見の代表等の事業のみ行う方向で検討を進めている中央会も出てきており、このような機能の適切な発揮のためには、税制面での措置を講ずる必要があるとしている。

新規・拡充措置としては、特定農産加工業経営改善臨時措置法に基づく事業用施設に係る特例措置(資産割1/4控除)の拡充(業種の追加等)及び延長(事業所税)や、水産資源の適切な管理と水産業の成長産業化を両立させ、漁業者の所得向上と年齢のバランスのとれた漁業就業構造を確立することを目指して、水産業の成長産業化に関する税制上の所要の措置を要望した。

既存措置では、農業競争力強化支援法に基づく事業再編計画の認定を受けた場合の事業再編促進機械等の割増償却(機械・装置40%、建物等45%)の2年延長(所得税・法人税)、利用権設定等促進事業により農用地等を取得した場合の所有権の移転登記の税率の軽減措置(2%→1%)の2年延長(登録免許税)を要望。農水省の要望には、農地政策の見直しに伴う所要の措置が多数盛り込まれており、今後の議論に注目が集まる。

農水省の税制改正要望は↓
https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2019/request/maff/index.htm

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