国税庁が運営する法人番号公表サイトは、13ケタの法人番号とともに法人の商号又は名称、本店又は主たる事務所の所在地の3項目(基本3情報)を公表しているが、東京商工リサーチ(TSR)の発表によると、その検索機能の一部に不具合が生じていることが分かった。公表サイトでは約460万社の法人番号などの検索ができるが、このうち推計2万社が所在地から商号や法人番号を検索できない状態にあるという。

法人番号は2015年10月から運用が始まり、1法人に1つ、13ケタの番号を付番している。法人番号公表サイトでは基本3情報が公表され、法人番号は広く一般に利用できることを前提としている。国税庁によると、各法人が法務局で登記を完了すると、法務局から国税庁にデータが提供される。国税庁は住所管理のソフトウェアを使用して公表サイトの住所データを作成し、作業は外部に委託せず国税庁で行っている。

公表サイトでは、「丁目」を算用数字で登録する。例えば「霞ヶ関三丁目1番1号」は、「霞ヶ関3丁目1-1」に変換して登録。所在地から商号や法人番号を検索するときは、算用数字のルールに従うようにサイト上で案内されている。だが、商業登記簿の記載ミスや存在しない住所、旧字など外字の認識エラーがあると算用数字に変換できず、漢数字のまま「三丁目」と登録され、公表サイトのルール通りでは検索できないことが分かった。

東京商工リサーチ(TSR)の調査によると、公表サイト全件のうち、所在地が漢数字の「丁目」の登録は約3万社ある。国税庁担当者は、「ルール外の漢数字の丁目が登録されている件数は把握できていない」と説明。「花巻市十二丁目」など地名が「丁目」だったり、ビル名に「丁目」が入るケースもあり、推計2万社が「ルール」外の登録で検索できない可能性が浮上してきたという。

国税庁の担当者は、TSRの指摘に対し、「ソフトウェアを利用してクレンジング(データ整理)しているが、置き換わらないとそのまま表示する仕様」と困惑しながら原因の可能性を説明し、「法務省と連携し正しいデータを提供していきたい」とコメント。TSRは、「官報の破産や減資などの公告に法人番号が記載されず、まだ行政の連携は十分と言えない。法人番号の利用促進には、より正確で利便性を高めた動きが必要」としている。

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