国際観光旅客税法は4月11日に参院本会議で成立したが、国税庁はこのほど、同税の周知のため、「国際観光旅客税に関するQ&A」を作成し公表した。同税は、訪日外国人旅行客が出国する際や日本人が旅行や出張で出国する際などに、1人当たり出国1回につき1000円を徴収するもの。Q&Aには、一般編と特別徴収義務者となる国際旅客運送事業者編、国際観光旅客等による納付編及び経理編の4編44問が掲載されている。

一般編の内容をみると、同税の適用は2019年1月7日以後の日本からの出国について課税されるが、同日以後の出国であっても、同日前に締結された運送契約による出国については課税されない。ただし、同日前に締結された運送契約による出国であっても、出国日を決めていない、いわゆるオープンチケットや回数券などで、来年1月7日以後に出国日を定める場合などは、同税が課されることになる。

また、同税は日本からの出国1回につき1000円課税されるが、例えば、クルーズ船により日本のA港から出国し、外国の港に帰港後、再び日本のB港に寄港してまた出国する場合は、出国が2回となることから合計2000円が課税される。そのほか、楽器用の座席スペースを確保するため、1人で2席分の航空券を購入した場合であっても、出国する者は1人なので、1人分の国際観光旅客税しかからないと説明している。

国際観光旅客等の経理編では、法人の従業員が出張や旅行などで海外に出国する際に支払う同税を法人が負担した場合の課税関係について、従業員の出国が法人の業務の遂行上必要な場合であれば、旅費に該当して非課税とされる。一方、従業員の出国が法人の業務の遂行上必要なものではない場合には、従業員に対する給与として所得税の課税対象となることを明らかにしている。

法人税法上の取扱いは、従業員の出国に伴い、法人が負担する国際観光旅客税に相当する額については、法人の業務遂行上、必要なものか否かによって、旅費交通費やその従業員に対する給与として取り扱われるが、いずれの場合であっても法人税の所得金額の計算上、損金の額に算入されるとしている。

同Q&Aは↓
http://www.nta.go.jp/publication/pamph/kansetsu/kanko/pdf/01.pdf

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