北海道ニセコ町が、町民や観光客などから信頼される、持続可能な国際リゾートの実現に向けた財源の一つとして、法定外目的税として宿泊税を導入する。同町では、2023年12月の議会定例会で「ニセコ町宿泊税条例」が議決されたのち、総務大臣と宿泊税新設に関する協議を進めていたが、3月12日に総務大臣の同意が得られたことから、2024年11月1日から宿泊税の課税を開始することとなった。

宿泊税を納めるのは、ニセコ町内の宿泊施設への宿泊者。宿泊施設は、旅館・ホテル、又は簡易宿所及び住宅宿泊事業(民泊)を営む住宅。税額は、1人1泊の宿泊料金「5001円以上2万円未満」200円、「2万円以上5万円未満」500円、「5万円以上10万円未満」1000円、「10万円以上」2000円と4段階で徴収し、当分の間「5001円未満」は100円を徴収する。宿泊料金には、飲食費や他の税、施設利用料などは除かれる。

また、学校(大学を除く)が主催する修学旅行その他学校行事に参加・引率する者や、その他町長が必要と認める者は課税が免除される。徴収・納入方法は、特別徴収義務者(宿泊施設の経営者)が、宿泊者から税を受け取り、原則として、毎月、町に申告納入するが、所定の要件(目安として毎月の納入税額が20万円未満など)を満たす場合は申請により、3ヵ月ごとの申告と納入に変更できる場合がある。

ニセコ町では平年度1億6200万円の税収を見込み、その税収は、ニセコ町の優れた景観と環境を保全し、安全で心豊かに過ごすことができる癒しのリゾート地としての魅力を高めるとともに、町民生活と調和した持続可能な観光の振興を図る施策に要する費用に充てるという。同町は、条例の施行後5年ごとに、宿泊税に係る制度について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとしている。

なお現在、宿泊税を導入する自治体は東京都、大阪府、京都市、金沢市、倶知安町、福岡県、福岡市、北九州市、長崎市の9つで、ニセコ町がそれに続く。宿泊税は2000年4月の地方税法改正で、地方自治体が法定外税を新設できるようになった。真っ先に導入したのが東京都で2002年に宿泊税条例を施行。しかし当時は出張を含む巨大需要があるからとの見方が支配的で、大阪府が2例目として2017年に導入するまで15年を要した。

北海道ニセコ町の「宿泊税」の新設は↓
https://www.soumu.go.jp/main_content/000934628.pdf

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