国税を法定納期限後に納付した場合には、納付すべき税金の額と法定納期限から納付が遅れた日数に応じて延滞税を納付することが必要となるが、国税庁はこのほど、354の税務署において、2019年分又は2020年分の贈与税申告書を提出した納税者のうち、延べ約 2100 人から、延滞税を過大に徴収していた事実が判明したことを明らかにした。過大に徴収していた延滞税は全国で合計約516万円となる。

この要因は、2019年分及び2020年分贈与税は申告・納付の期限が一律で延長されていたにもかかわらず、誤って申告・納付の期限が延長されていないものとして延滞税が計算されたことによるもの。両年分の贈与税については、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けた行動制限等を伴う政府方針を踏まえ、申告・納付期限を、2019年分は2020年4月16日まで、2020年分は2021年4月15日まで、一律で1ヵ月延長していた。

国税庁は、延滞税の過大徴収により迷惑をかけたことを深謝するとともに、延滞税を過大に徴収していた納税者には、順次、所轄税務署から連絡し、個別の謝罪と誤り内容の説明をした上で、過大徴収額の還付の手続きを進める。また、今後、同様の誤りが生じることのないように、各国税局及び各税務署に対し、2019年分及び2020年分の申告・納付の期限延長に伴う事務処理手順を再徹底し、正確な事務処理の確保に全力を尽くすという。

なお、所轄税務署からは、過大徴収額を還付するため、預貯金口座番号を問い合わせることがあるが、暗証番号を尋ねたり、ATMの操作を依頼したりすることはないことに、注意を喚起している。また、所轄税務署の職員が訪問する際は、必ず身分証明書を提示するので、身分証明書の提示がないなど不審な点がある場合には、税務署に確認の電話を入れるなど、十分に注意するよう呼びかけている。

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