国税庁がこのほど公表した2021年分所得税等の確定申告状況によると、所得税の確定申告書を提出した人は、前年を1.6%(36万2千人)上回る2285万5千人となり、2011年以降ほぼ横ばいで推移している。申告納税額がある人(納税人員)は同▲0.1%減の656万8千人となり、2年ぶりの減少となった。納税人員は減少したものの、その所得金額は同8.7%上回る46兆2398億円となり、2年連続で増加した。

申告納税額も、前年を19.8%(6262億円)上回る3兆7915億円と、2年ぶりに増加。2020年分と比較すると、納税人員は減少したものの、所得金額及び申告納税額は増加した。申告納税額は、ピークの1990年分(6兆6023億円)の6割近く(57%)に落ち込んでいる。なお、還付申告者数は、前年分から2.2%増の1329万7千人と3年ぶりに増加したが、2020年分からほぼ横ばいで推移し、申告者全体の約58%を占める。

所得税申告者のうち、株式等の譲渡所得の申告者は前年分に比べ▲0.6%減の111万9千人と2年ぶりに減少したが、うち所得金額がある人は同30.0%増の62万1千人、所得金額は同30.2%増の4兆5639億円と、ともに増加。これら株式等譲渡所得の申告者を除く土地等の譲渡申告者は同10.2%増の55万6千人、うち所得金額がある人は同9.5%増の36万6千人、所得金額は同15.1%増の4兆8515億円で、2020年分からいずれも増加した。

一方、贈与税の申告状況をみると、贈与税の申告書を提出した人員は53万2千人で前年分比9.5%増、うち納税人員は38万9千人で同9.7%増加し、その申告納税額は3327億円で同20.0%増加した。贈与税の申告書提出人員のうち、暦年課税を適用した申告者は同9.4%増の48万8千人、うち納税額がある人は同9.7%増の38万5千人、その納税額は同30.5%増の2840億円。1人当たりの納税額は同18.9%増の74万円となる。

また、相続時精算課税制度に係る申告者は前年分に比べ10.8%増の4万4千人、うち納税額があった人は同14.5%増の4千人、申告納税額は同▲18.2%減の487億円。1人当たりの納税額は同▲28.6%減の1215万円だった。なお、個人事業者の消費税の申告件数は同1.0%増の113万5千件、納税申告額は同1.3%増の6315億円と過去最高。消費税の還付申告は、同28.0%増の8万5千件、還付税額は同6.7%増の532億円だった。

この件の詳細は↓
https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu/pdf/0022006-063.pdf

提供:株式会社タックス・コム