新着 実務情報
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2026/06/09
「企業価値を高める標準化・ルール形成」の公表
経済産業省は、4月30日、「企業価値を高める標準化・ルール形成-投資家と経営層の新たな視点-」(以下「本資料」という)を作成・公表した。近年、世界的に規制・標準の再編が加速し、標準化・ルール形成が市場創出の手段の一つとなっており、他国が主導する中、日本企業には“技術で勝ってビジネスで負ける”状況を解消する必要性が高まっているが、標準化・ルール形成の重要性が指摘されつつも、それが企業価値や投資判断とどのように結びつくのかについて、必ずしも十分に整理・共有されていなかった。本資料は、標準化・ルール形成について企業の経営戦略における位置づけを向上させ、企業経営層や投資家がその重要性を理解し、一歩踏み出す契機とすることを目的として作成されており、標準化・ルール形成とは何か、標準化・ルール形成の重要性、標準化・ルール形成活用方法と標準化取り組み事例が紹介されている。標準化・ルール形成とは、他社が従わざるを得ない・または従った方が得をするルール(規制、規範、規格、その他基準等)を開発し、普及させることをいい、法律ではなく任意のものであるが、市場では「参入の前提条件」になりうるもので、標準づくりは市場ルールづくりそのものととらえることができる。標準・ルールを軽視すると、標準・ルールが市場参入の必須条件となっている場合、競合との競争での敗北や市場からの排除等により、「何もしないことによるコスト」が発生するようになり、また、参入時期が遅くなった場合も後追いで再設計・再評価・再認証が必要になり、時間・費用が膨張することになる。企業経営層にとっては、標準化・ルール形成を実現することで「標準化と事業を連動させる仕組み」を作り上げる事業の実現性や「うまくいくための仕組み」を他地域で再現する再現性、「横にも縦にも伸ばせる仕組みを」を作り上げる事業の拡張性を高め、事業や企業価値の向上を期待することができるようになる。再現性により、実現した標準化・ルール形成を他の地域に展開することで、その地域でも元の地域と同品質の製品・サービス等を提供することが可能となり、事業拡大につなげることができる。また、事業の構成要素の一部を他社へ公開したり、別の要素に置き換えたりする事業の拡張性を図ることで新市場やエコシステムの双方向に事業を広げることができるようになる。投資家に対しては、標準化・ルール形成を行うことで、「戦略的競争ルールの設計と市場支配」、「事業戦略との一体化とコスト優位性の確立」、「持続的な企業価値向上への貢献と開示」等を説明することができるようになる。本資料では、標準化・ルール形成活用の進め方や参考になる標準化取り組み事例も紹介されているため、参考にするとよい。(参考)「企業価値を高める標準化・ルール形成―投資家と経営層の新たな視点―」を公表しましたhttps://www.meti.go.jp/press/2026/04/20260430001/20260430001.html
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2026/06/08
役員貸付金の債務免除と税務処理
法人の役員に対する貸付金が長年滞留し、返済不能となったため、債務免除を検討するケースがある。しかし、このような場合において、実務上は「貸倒損失として処理すれば終わり」という単純な問題ではない。特に役員に対する債務免除は、「役員賞与」と認定される税務リスクが高く、会計処理、法人税、所得税、源泉徴収まで一体で検討する必要がある。法人が役員に対して行った貸付金を免除した場合、その経済的利益は所得税法28条1項に規定する「賞与又は賞与の性質を有する給与」に該当する可能性がある。この点は、これまで複数の裁判例において繰り返し争われてきた。役員が法人から長年にわたり多額の借入れを行い、その後、返済困難を理由として債務免除を受けた事案においては、当該債務免除による経済的利益が給与所得に該当するとして課税処分が維持された例が存在する。通常の金銭債権であれば、「(借方)貸倒損失/(貸方)貸付金」と処理する場面でも、役員に対する貸付金については、税務上は貸倒損失ではなく役員賞与とされる可能性が高い。その場合の仕訳は「(借方)役員賞与/(貸方)貸付金」となる。また、債務免除は経済的利益の供与として、現物給与と同様に源泉徴収の対象となる。賞与に係る源泉徴収税額は所得税法186条に基づき計算されるため、法人は役員本人から源泉所得税相当額を別途預かり、納付する必要がある。受領時の仕訳は、「(借方)現金預金/(貸方)預り金」、納付時は「(借方)預り金/(貸方)現金預金」と処理する。なお、役員本人に納税資金がなく、法人が本人負担すべき源泉所得税を負担した場合、その負担額自体が追加の経済的利益となるため、いわゆるグロスアップ計算が必要となる点に注意が必要である。一方、法人税申告においては、役員賞与は原則として損金不算入である。会計上「役員賞与」として費用処理していたとしても、税務申告上は別表四において「役員賞与認定額」等として加算し、社外流出として処理することになる。このように、役員に対する貸付金を単純に貸倒損失として処理することには大きなリスクがある。また、そもそも役員貸付金自体が税務調査において問題視されやすい論点であり、安易な実行は避けるべきである。特に、返済可能性が乏しいことを認識しながら行われた貸付については、貸付時点に遡って役員給与と認定されるリスクも否定できない。役員貸付金の整理に当たっては、債務免除時の会計処理にとどまらず、源泉徴収、法人税申告、別表四調整まで含めて慎重に検討する必要がある。提供:株式会社日本ビジネスプラン
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2026/06/08
「あなたの権利や利益に関係のない違法を主張しています」。審査請求は適法だが、不服申立人が主張する理由には、処分の取消しを求める理由がないと判断された事例(棄却)
【裁決のポイント】不服申立ての手続きは、税務署から処分の通知を受けた日の翌日から原則として3か月以内に、国税不服審判所長に「審査請求」か、税務署長等に「再調査の請求」を選択できる。先に適法な再調査の請求をして、その決定に不服がある場合に審査請求を行うこともできる。ここで、不服申立ては、単に処分が存在しこれに不服があるというだけではなく、「その処分によって自己の権利又は法律上の利益が侵害されている場合」にできることとされ、不服申立てができる者は、国税に関する法律に基づく処分によって直接自己の権利又は法律上の利益を侵害された者であることが要件とされている。審査請求人の滞納国税を徴収するため、税務署は、審査請求人の債権に対して差押処分を行い、債権差押通知書を第三債務者に送達した。審査請求人は、当該債権は第三者に帰属するとして再調査の請求をすると、直接自己の利益を侵害されるのは審査請求人でないから再調査の請求は不適法として却下された。審査請求人は次に審査請求をした。国税不服審判所は、再調査の請求は適法であったから、審査請求は適法としたうえで、審査請求人は自己の法律上の利益に関係のない違法を審査請求の理由としているとして、請求を棄却した事例である。(債権の差押処分・棄却・令和7年1月24日裁決)【主な争点】本件差押処分の適法性。【裁決の要旨】審査請求人は本件差押処分の名宛人であり、本件差押処分により、その法律上の効果を受ける者であるから、本件差押処分の取消しを求めることができることは明らかである。本件再調査請求は適法なものであり、ほかに本審査請求を不適法とする事情はないため、本審査請求は適法である。審査請求人は、本件差押処分時には、本件債権が第三者に帰属しているから、本件差押処分は無効である旨主張する。しかしながら、審査請求が違法又は不当な処分によって侵害された不服申立人の権利利益の救済を図るものであることからすれば、不服申立人は、自己の権利又は法律上の利益に関係のない違法を審査請求の理由として取消しを求めることができないと解するのが相当である。これを本件についてみると、仮に当該主張の事実が存在したとしても、本件差押処分によって不利益を受けるのは当該第三者であり、審査請求人ではないから、結局、審査請求人がかかる事実を違法事由として主張することは、自己の法律上の利益に関係のない違法を審査請求の理由とするものである。よって、本審査請求は理由がないから、これを棄却することとする(国税徴収法所定の要件を充足しており適法である)。【参照条文】国税通則法第75条《国税に関する処分についての不服申立て》国税徴収法第47条《差押の要件》、第62条《差押えの手続及び効力発生時期》本情報は、裁決日時点での審査事例となります。裁決日以後、裁判所により別の判決が示される場合もございますので、あらかじめご了承ください提供:株式会社日本ビジネスプラン
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2026/06/08
東京国税局「令和8年5月1日以降の税務署窓口における納税証明書の受付時間について」を公表
東京国税局はこのほど「令和8年5月1日以降の税務署窓口における納税証明書の受付時間について」を公表した。これは、税務行政のデジタル化の推進に伴い、税務署窓口における納税証明書の受付時間を見直すという内容である。対象は東京国税局管内の全ての税務署で、令和8年5月1日以降、納税証明書の窓口受付時間は、「午前9時から午後3時まで」に変更されている。従来は、税務署の開庁時間の「午前8時30分から午後5時」までとなっていたことから、受付時間が短縮されたことになり、利用者には理解と協力が求められている。今回、納税証明書の受付窓口時間が短縮された背景には、政府が進める「デジタル社会の実現に向けた重点計画」があり、国税庁は、「あらゆる税務手続きが税務署に行かずにできる社会」を目標に掲げ、e-Taxを中心としたオンライン手続きの拡充を進めている。現在、納税証明書の請求方法については、オンラインで請求する方法と書面で請求する方法がある。オンラインで交付請求する場合は、スマートフォンやタブレット、パソコンからe-Taxで請求し、証明書については、電子納税証明書(PDFファイル又はXMLファイル)による受け取り、または税務署窓口、郵送による書面での受け取りなど3通りの方法がある。書面で交付請求する場合は、納税証明書交付請求書を税務署の窓口で提出するか、郵送で請求し、窓口または郵送により証明書を書面で受け取る手続きとなっている。従来は税務署窓口で行うことが一般的であった納税証明書の請求も、スマートフォンやパソコンからオンラインで請求できるようになり、税務署に出向くことなく、電子納税証明書で受け取ることが可能になっていることから、税務署全体の業務効率化のため、東京国税局としては、窓口利用からオンライン利用への移行を促進する考えを示したといえる。一方、e-Taxで交付請求を行い、納税証明書を税務署窓口で受け取る場合についての留意事項として「来所予定日の執務時間開始(午前8時30分)から請求順に納税証明書の作成を行うため、発行までお時間をいただく場合がありますのでご了承ください。」と説明されており、オンラインで交付請求していても、受け取りが税務署窓口の場合は、混雑の状況により、待ち時間が発生する可能性があるとしている。今後、急ぎで納税証明書を取得したい場合には、受付終了時刻が午後3時であることや事前にe-Taxでの交付請求を行った場合の受取方法を確認し、余裕を持った手続きを行うことが求められる。なお、東京国税局管内税務署以外の税務署については、これまでどおり、午前8時30分から午後5時までの受付時間となっている。(参考)令和8年5月1日以降の税務署窓口における納税証明書の受付時間についてhttps://www.nta.go.jp/about/organization/tokyo/topics/04251113.htm
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2026/06/05 税務行政
KSK2(ケーエスケー2)がやってくる!~国税当局のデータ化プロジェクトの正体~
はじめに去る4月22日、国税庁はホームページで「国税システムの更改について」と題する文書を公表しました。そこには、「国税庁では、令和8年9月24日に国税システムの更改を予定しています。納税者の皆様にご注意いただきたいことを順次お知らせしていきます。」とあります。読者の中には、「国税システムの更改は、納税者や税理士には関係ない。」と思っておられる方もいるかもしれません。ところが、国税システムの更改は、納税者、税理士、そして会計ソフト会社など全ての関係者を巻き込む一大プロジェクトと考えるべきです。本稿では、国税庁の基幹システムであるKSK2の本格導入が、将来的に税理士や納税者などの関係者にどのように影響するのか、4月下旬時点の情報に基づいて解説していきたいと思います。1.KSKからKSK2へ税務行政における電子化については、事務の効率化・高度化を進めるため、昭和41年(1965年)に東京国税局にADPセンターを開設して、コンピュータによる事務処理の第一歩を踏み出しました。その後、平成7年(1995年)からKSK(国税総合管理)システムの試行的な導入を開始し、平成13年(2001年)から全国全ての国税局・税務署で活用してきました。その後、e-Taxが2004年に導入されるなどして、今日に至っています。KSKシステムは、全国の国税局と税務署をネットワークで結び、地域や税目を越えた情報の一元的な管理により、各種事務処理の高度化・効率化を図るために導入した基幹システムです。そして、新しい国税総合管理システム(KSK2)が本年9月24日より本格稼働されることになった、というのが4月22日のアナウンスのポイントです。2.KSK2の目的KSK2の目的は、次のとおりです。デジタルの活用による納税者の利便性の向上、課税・徴収の効率化・高度化そこで、国税総合管理システムの次世代システムとしてKSK2の開発が進められてきました。KSK2については、データ中心の事務処理を実現するシステム(紙からデータ)現在、税目別となっているデータベース・アプリケーションの統合(縦割りシステムの解消)独自OSを使用する大型コンピュータを中心としたいわゆる「メインフレーム」から、市販の汎用的なOSを使用するいわゆる「オープンシステム」への刷新(メインフレームからの脱却)といったことを開発コンセプトとしています。3.国税システムの更改(4月22日公表)の概要国税システムの更改では、次のようなことが公表されました。(1)申告書等の様式の変更多くの申告書や申請・届出書、法定調書の様式が新しくなる予定です。4月22日現在では、合計1795の様式が変わるとのことです。詳しくは、国税庁のホームページを見ていただくとして、主要税目別では次に掲げる表のようになります(税目の下の数字は変更される様式の数)。関係税目等様式名称様式公開時期受付開始時期申告所得税(220)申告書一表・二表・三表・四表、申告書付表(R7年)等令和8年6月頃令和8年9月24日以降源泉所得税(83)給与支払事務所の開設・移転・廃止届出書令和8年6月頃様式公開直後譲渡所得税(108)株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書令和8年12月頃様式公開直後相続・贈与税(368)贈与税の申告書第1表(R7年)等令和8年12月頃様式公開直後財産評価(29)特定株式等の判定及び比準要素等の金額の計算等の明細書令和8年6月頃様式公開直後法人税(155)別表1(青色申告)令和7年4月1日以後終了事業年度等分令和8年8月頃令和8年9月24日以降消費税(125)消費税及び地方消費税の申告書(一般用)【令和元年10月1日以後終了課税期間分】令和8年8月頃令和8年9月24日以降(出典:国税庁資料を一部改訂)(2)所得税徴収高計算書(納付書)の様式変更等①納付書の様式等について、次のように変更される予定です。納税者の識別に使用する「整理番号(8桁)」を「お問い合わせ番号(13桁)」に変更「お問い合わせ番号」とは、税務署から送付する文書と納税者情報とを紐づけるためにシステムで自動的に払い出される番号です。なお、税務署の窓口では「お問い合わせ番号」があらかじめ印字(現行の整理番号と同様に印字)された所得税徴収高計算書(納付書)を配付しますので、納税者の方に記載していただく必要はありません。「納期等の区分」欄等に元号の記載欄を追加「徴収義務者」欄に郵便番号及びフリガナの記載欄を追加②様式のサイズ税務署の窓口で配付する所得税徴収高計算書(納付書)は、現行のA4三つ折りサイズ程度の複写式から、A4サイズの単票式に変更することを予定しています。③その他現行様式(整理番号欄がある複写式)の所得税徴収高計算書(納付書)は、令和10年9月頃まで使用することができる予定です。A4サイズの単票式による所得税徴収高計算書(納付書)のイメージ画像は、令和8年6月下旬頃、国税庁ホームページでお知らせします。(3)国税システムの更改に伴うメンテナンス時間以下の期間は、国税システムの更改のためe-Taxが利用できません。【メンテナンス時間(e-Tax利用不可時間)】令和8年9月19日(土)0:00~9月24日(木)8:30令和8年9月26日(土)0:00~24:004.国税システムの更改(4月22日公表)の本質とはここまで、4月22日の公表内容について説明してきました。実は、ここからが重要になります。これまでの国税庁の公表資料を見ていくと、今回のKSK2の本格稼働は、国税庁にとって非常に重要な意義があります。この点、本レポート一回では書ききれないので、別の機会に譲るとして、ポイントだけをお伝えします。まず、国税庁は社会の複雑化やIT化に対応するため、2017年には「税務行政の将来像~スマート化を目指して~」を公表し、KSK2を2020年代半ばに稼働させるとしていました。その後、2021年に公表した「税務行政のデジタルトランスフォーメーション」において、2026年の稼働を目指すとしていました。要するに、9年越しの新プロジェクトとなります。次に、KSK2により、紙からデータに移行することにより、税務行政の効率化と高度化を実現することです。e-Taxの普及などにより、納税者の資料を少しずつデータ化できるようになってきましたが、これが加速することになります。そして、これまで税目毎にしか取れなかったデータの縦割りを排除し、納税者毎に所得や資産状況を把握することができるようになるでしょう。つまり、国税庁は、納税者のデータを税目横断的に把握することができるようになると思われます。一方、納税者や税理士にとっては、所得税、法人税、消費税といった経常事務をデータ化することにより、効率化を図ることができるようになるでしょう。最近の税理士業界の人手不足を補うため、IT化が進むことで税理士事務所運営に資することになる可能性が高いです。最後に、会計ソフト会社に対して、あらかじめ様式等を示すことにより、KSK2と整合的な会計ソフトの開発をしてもらうことになります。おわりに本稿は、KSK2の導入時期が決まったこと、それに伴う申告書等の様式の変更があること、などを解説してきました。そして、その目的は、納税者の利便性の向上と国税当局の調査・徴収の効率化と高度化にあります。これを敷衍すれば、国税当局によるデータ化の加速により、納税者情報を税目横断的に管理することにより、調査・徴収を効率化することができるということです。4月22日の公表資料の本質は、KSK2という新しい国税管理システムの本格稼働により国税当局による納税者情報の把握がステップアップすることにあります。来年以降、調査や徴収を行う場合にこれまで以上の情報に基づいて行われることが予想できます。一方、紙からデータへの流れが加速することは、納税者や税理士にも良い影響があると思います。今回の公表資料により、会計ソフト会社はKSK2に適合するソフトを開発し提供することになります。そして、これにより税理士の日常業務だけでなく、中小企業などの事業者の経理にも影響が及ぶことになるでしょう。最初は慣れるまで大変かもしれませんが、AI―OCRがより使いやすくなったりするなど、日常業務の効率化に資するものと思われます。今後も国税庁からKSK2に関して様々な情報が公表されることになりますが、納税者や税理士にわかりやすい情報発信を希望したいと思います。提供:税経システム研究所
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2026/06/05
中東情勢を踏まえた燃料油の「緊急的激変緩和措置」
資源エネルギー庁は、5月18日にホームページ上に「日本のガソリン価格は世界と比べて安い?高い?中東情勢を踏まえた燃料油の「緊急的激変緩和措置」」を公表し、中東情勢の悪化による原油価格高騰の現状と、それに対する政府の支援策を紹介している。ホームページによると現在の中東情勢の緊迫化により、原油価格は世界的に高騰しており、3月上旬には、北米市場の代表的な指標原油であるWTI原油の価格が、一時1バレル120ドル近くに迫り、それに伴い国内のガソリン価格も一時急騰した。原油の9割以上を中東地域から輸入している日本では、今回の中東情勢により、生活や経済活動に様々な影響が及ぶ恐れがあり、特に懸念されるのがガソリン価格を始めとする燃料油の価格高騰であるとしている。ガソリンなどの燃料油は単に自動車の利用だけでなく、物流、農業、漁業、食品製造など幅広い分野に関係しており、価格高騰は食料品や日用品価格のさらなる値上げにつながるとして、政府は3月11日、燃料油(ガソリン、軽油、重油、灯油、航空機燃料)を対象にした「緊急的激変緩和措置」の実施を正式決定し、3月19日から支援がスタートした。具体的な措置内容は、ガソリン、軽油、重油、灯油、航空機燃料に対し、例えばガソリンについては、全国平均小売価格が170円を超える見込みとなった場合に、170円を超える部分について燃料油の元売り業者(石油精製事業者、石油輸入者)に補助金を支給することで小売価格を引き下げることとし、軽油、重油、灯油も同額の補助、航空機燃料についてはガソリンの4割相当を補助することとなった。結果、ガソリンの全国平均価格は3月16日時点の190.8円から、4月27日時点で169.7円まで低下し、軽油、灯油もそれぞれ160円程度、140円程度の水準となり、当初の目標水準に抑えられている。また、欧米と比較しても日本のガソリン価格は低く抑えられているとして、国際比較についても紹介しており、4月27日時点の他国における一般的なガソリン価格を日本円に換算して、ドイツは396.7円、フランスは373円、英国は338.8円、産油国である米国は173.9円と、日本のガソリン価格は欧州に比べると半額程度、産油国の米国と同水準と、低い水準に抑えられていることが説明されている。同時期に国家備蓄原油の放出もスタートしており、3月26日には需要の約1ヶ月分(約850万キロリットル)、さらに5月1日からは新たに約20日分の放出を始めている。政府は、日本全体で必要となる量を確保し、緊急的激変緩和措置で燃料油の高騰を抑え、国民の命と暮らし、経済活動に支障が生じないように取り組んでいくとともに、中東情勢の悪化が長期化した場合には、支援の在り方を柔軟に検討するとの考え方を示している。(参考)日本のガソリン価格は世界と比べて安い?高い?中東情勢を踏まえた燃料油の「緊急的激変緩和措置」https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/fuel_price_shien_2026.html
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2026/06/04
総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)2025年平均結果」を公表
総務省は5月19日、「家計調査報告(貯蓄・負債編)2025年(令和7年)平均結果(二人以上の世帯)」を公表した。まず、貯蓄について、二人以上の世帯における2025年平均の1世帯当たり貯蓄現在高(平均値)は、2,059万円で前年に比べ75万円、3.8%の増加となり、7年連続の増加となるとともに、比較可能な2002年以降で最多となっている。このうち勤労者世帯では、1,717万円で前年に比べ138万円、8.7%の増加となっている。また、貯蓄保有世帯の中央値は、1,264万円となっている。貯蓄現在高階級別の世帯分布をみると、貯蓄現在高の平均値(2,059万円)を下回る世帯が約3分の2(66.1%)を占め、貯蓄現在高の少ない階級に偏った分布となっている。貯蓄の種類別に貯蓄現在高の推移をみると、通貨性預貯金、有価証券などが前年に比べ増加となっている。通貨性預貯金は710万円で、前年に比べ18万円、2.6%の増加となり、17年連続の増加となっている。有価証券は、440万円で前年に比べ63万円、16.7%の増加となり、3年連続の増加となっている。次に負債について、二人以上の世帯における2025年平均の1世帯当たり負債現在高(平均値)は、675万円で前年に比べ12万円、1.8%の増加となり、4年連続の増加となるとともに、比較可能な2002年以降で最多となっている。このうち勤労者世帯では、1,034万円で前年に比べ10万円、1.0%の増加となっている。また、負債保有世帯の中央値は、1,511万円となっている。負債保有世帯の割合は、約4割(37.5%)となっており、負債保有世帯では、負債現在高の平均値(1,802万円)を下回る世帯が約6割(56.0%)を占めている。負債の種類別に負債現在高をみると、負債現在高の約9割(91.9%)を占める住宅・土地のための負債は、620万円で前年に比べ8万円、1.3%の増加となっている。続いて、世帯主の年齢階級別に純貯蓄額(貯蓄現在高-負債現在高)をみると、50歳以上の各年齢階級では貯蓄現在高が負債現在高を上回っており、貯蓄超過となっている。このうち、60~69歳の世帯の純貯蓄額は2,609万円と最も多くなっている。一方、50歳未満の各年齢階級では、負債現在高が貯蓄現在高を上回っており、負債超過となっている。なお、負債保有世帯の割合は40~49歳の世帯が67.0%と最も高く、40歳以上の各年齢階級では年齢階級が高くなるに従って低くなっている。(参考)「家計調査報告(貯蓄・負債編)2025年(令和7年)平均結果(二人以上の世帯)」https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01toukei07_01000286.html
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2026/06/03
会計検査院「マイナポイント事業に関する会計検査の結果について」を公表
会計検査院は5月15日、「マイナポイント事業に関する会計検査の結果について」を公表した。検査結果及び所見は以下のとおりである。1事業の実施状況マイナポイント事業における令和元年度から5年度までの間の予算額は2兆1,422億円、これに対する支出額は計1兆3,905億円、このうち広報に要した経費は211億円となっていた。特に大規模な広報が展開されていた全国広報の広報戦略の実施に当たり、媒体の種類、媒体別投下量等をどのように検討して決定したかについて、その経緯が分かる資料は保存されておらず、これらの妥当性を確認できる状況とはなっていなかった所見として、総務省は、今後、大規模な広報を実施する場合には、媒体の種類、媒体別投下量等を決定した経緯が分かる資料について、適切に保存するなどして、広報戦略の実施の妥当性を十分に説明できるようにすることとしている。2マイナポイントの申込みの状況及びマイナンバーカードの申請の状況申込者数は、マイナンバーカードの取得等に係る施策が7,556万人、マイナ保険証の利用申込みに係る施策が6,818万人、公金受取口座の登録に係る施策が6,174万人となっていた。事業の実施前後において、マイナンバーカードの申請件数、マイナ保険証及び公金受取口座の登録件数は、それぞれ6,000万件以上増加し、事業の実施後においてマイナンバーカード等の利用実績が増加するなどしている一方、マイナンバーカードの自主返納が発生していた可能性があると思料される状況等も見受けられた。所見として、総務省、厚生労働省及びデジタル庁は、マイナポイント事業が多額の国費を投じて実施されたものであることを踏まえて、マイナンバーカード、マイナ保険証及び公金受取口座について、利用等の状況を適時適切に把握して、一層の利活用を図るための方策を検討することとしている。3マイナポイントの利用の状況総務省等において、決済事業者ごとのマイナポイントの利用実績は把握されておらず、消費の活性化等の効果が明らかにされていなかった。会計検査院において試算したところ、46登録サービスに係るマイナポイントの利用額は1兆1,623億円、利用率は94.2%となり、消費の活性化に係る効果額は約1兆2,239億円となった。所見として、総務省は、今後、多額の国費を投じてキャッシュレス決済サービスを活用してポイントを付与する事業を実施する場合には、事業を所管する省庁等と連携して、ポイントの利用の状況等の把握に努めるとともに、事業の効果を検証することとしている。(参考)「マイナポイント事業に関する会計検査の結果について」https://www.jbaudit.go.jp/report/new/kobetsu07/r080515.html
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2026/06/02 相続・贈与税
配偶者居住権を利用すると二次相続の課税を回避できる
1.配偶者居住権が創設された背景配偶者居住権とは、建物の所有者が死亡した後も、その配偶者が引き続きその建物に無償で居住し続けることができる権利で、配偶者の一身専属権です。平均寿命の高齢化に伴い、被相続人の死亡後その配偶者が長期間にわたり生存することが少なくありませんが、配偶者は被相続人の死亡後も、被相続人とともに住んでいた建物での居住の継続を望むところです。この場合、居住用の不動産の価額が相続財産の総額に対して相当な割合を占めていると、遺産分割において老後の生活資金を十分に確保しづらくなります。そこで、不動産の価値を所有権と配偶者居住権とに分割し、配偶者が配偶者居住権を取得し、他の相続人(一般的には子)が所有権を取得すれば配偶者にとって不動産の取得額は下がることになり、結果的に老後の生活資金をより多く確保できるようになります。これが、令和2年に配偶者居住権が設けられた経緯です。2.配偶者居住権の特徴と存続期間配偶者居住権は、無償で居住することができますが、使用貸借とは異なり、その権利は登記を行うことによって第三者に対抗することができますので、法的性格は賃貸借に近いといえます(民1028、1031)。配偶者居住権の取得は、遺贈又は遺産分割協議によります(民1028)。したがって遺産分割が完了した後に取得することはできません。配偶者居住権の存続期間は終身とされますが、遺言や遺産分割協議によって一定の期間を定めることもできます(民1030)。配偶者居住権は一身専属権ですので、配偶者居住権を譲渡することはできず(民1032②)、あらかじめ定めた終期が来た段階で消滅します。また、一定の期間を定めた場合で、その期間が満了する前に配偶者が死亡した場合もその時点で消滅します。3.配偶者居住権に対する課税上の対応配偶者居住権は譲渡できない資産ではあるのですが、配偶者居住権の存在によって所有権の価値が下がること、配偶者が施設へ入居するなどにより配偶者居住権を途中で放棄すると所有権の価値が上がること、配偶者居住権の存続中にその不動産が譲渡されると、配偶者もその時点の配偶者居住権の価値に見合う対価を受けること、などから配偶者居住権についても財産上の価値を認め、相続税、贈与税、譲渡所得課税の対象にしています(相法23の2、相令5の7、相規12の2~4、相基通9-13の2、所法60②③、所基通60-3~10)。また、配偶者居住権は建物に対する権利であり土地には適用されませんが、その敷地については利用権としての効果が及びますので、課税上は土地についても配偶者居住権の価値があるものとしています。なお、配偶者居住権に係る譲渡所得は、建物に係る権利の譲渡に該当するため、敷地部分も含め総合課税の譲渡所得になります(措通31・32共-1かっこ書き)。また相続税に関して、配偶者居住権が設定された建物の敷地は、土地の上に存する権利に該当しますので、小規模宅地の特例を受けることができます。4.配偶者居住権の評価(土地)配偶者居住権に係る土地の評価は、まず所有権の評価を先に行い、その土地の全体の評価額から所有権の評価額を控除した額が、土地に対する配偶者居住権の評価額になります。所有権の評価について、子は配偶者居住権が終了するまで、その土地を有効活用することができませんので、配偶者居住権が終了するときの価値(下図C)から相続開始時点(下図B)に遡って民法の法定利率である3%による複利現価率を乗じた額が評価額になります。配偶者居住権の存続期間が終身とされている場合の存続期間は、厚生労働省から公表されている完全生命表による平均余命年数によります。平均余命年数と複利現価率は、国税庁の「配偶者居住権等の評価明細書」の裏面に記載されています。これらの関係を図解すると、次のようになります。5.配偶者居住権の評価(建物)配偶者居住権に係る建物の評価は、土地と同様にまず所有権の評価を先に行い、その建物の全体の評価額から所有権の評価額を控除した額が、建物に対する配偶者居住権の評価額になります。建物に係る所有権の評価についても、土地と同様に配偶者居住権が終了するときの価値(下図C)から相続開始時点(下図B)に遡って民法の法定利率である3%による複利現価率を乗じた額が評価額になるのですが、建物の価値は年とともに徐々に減価していきますので、配偶者居住権が消滅するときの価値は、その減価した後の金額になります。建物の減価の額は、建物が建築された日(下図A)から非事業用資産の耐用年数(下図A~D)によって計算します。なお所得税における非事業用資産に対する計算方法とは少し異なり、事業用の耐用年数を1.5倍する場合には6か月以上の端数を切り上げ、耐用年数が満了した時点(下図D)での価値はゼロとして減価の額を計算します。これらの関係を図解すると、次のようになります。配偶者居住権の具体的な計算については、国税庁の「配偶者居住権等の評価明細書」を用いて計算することができます。6.配偶者居住権に関する課税上の留意点配偶者居住権の評価額と所有権の評価額を合計すると、上記のように相続開始時点での土地又は建物の評価額になります。この場合、配偶者居住権の評価額は、総じて高く算定される傾向があり、その反対に、所有権の評価額は低くなります。配偶者居住権の評価額が高くなっても、配偶者の税額軽減制度によって、通常は相続税が課税されませんので、その影響は少ないと考えられます。他方、子にとっては、所有権の評価額が反射的に低くなることにより、相続税の負担額は減少することになります。なお、配偶者の税額軽減制度によって配偶者の税負担額がゼロになっても、配偶者居住権の敷地に対して小規模宅地の特例が適用できると、課税価格の合計額が下がるので、さらに相続税の総額は下がることになります。したがって、配偶者居住権を利用すると、一次相続において子が所有権を取得してしまいますので、二次相続における課税を避けることができます。このため、配偶者居住権を適用できる環境にある場合は、相続税の依頼者に対して配偶者居住権についての説明を検討する必要があるかと思われます。(参考)国税庁「配偶者居住権等の評価明細書」https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hyoka/annai/pdf/1470-16-2.pdf提供:税経システム研究所
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2026/06/02
サイバーセキュリティ相談窓口・情報セキュリティ安心相談窓口の相談状況
IPA(独立行政法人情報処理推進機構)セキュリティセンターは、4月22日、サイバーセキュリティ相談窓口の相談状況[2026年第1四半期(1月~3月)]を公表した。IPAでは、従来は、個人および企業組織からの相談を「情報セキュリティ安心相談窓口」で対応していたが、2025年4月より個人からの相談は「情報セキュリティ安心相談窓口」、企業組織からの相談は新たに開設した「サイバーセキュリティ相談窓口」で対応することとなった。企業組織からの相談である「サイバーセキュリティ相談窓口」の相談件数は、今四半期で283件となっており、前四半期から約26.3%増となっていた。相談件数には、年末年始からばらまきが確認されていた「社長等をかたる詐欺メール」の手口が92件含まれていた。「社長等をかたる詐欺メール」は、メール本文に業務の指示を装って、「LINEのグループを作成しQRコードを返信しろ。」「グループには他の人は入れないように。」などと書かれており、指示に従いLINEのQRコードを返信すると、LINE上で社長等を騙ったり、取引を装った振込の指示が行われ、多額の振り込みを行ってしまったという事案が確認されている。また、今四半期のインシデント対応相談は34件となっており、被害種別の内訳は、その他:13件、不正アクセス:7件、ランサムウェア感染:6件、マルウェア感染:5件、なりすましメール送信:2件、BEC(ビジネスメール詐欺):1件となっていた。個人からの相談では「情報セキュリティ安心相談窓口」について同時期(2026年第1四半期(1月~3月)に寄せられた相談件数は、3,533件となっており、前四半期から約18.7%増となっていた。※寄せられた相談の主なものは、相談件数の多い手口の順に「ウイルス検出の偽警告」1,154件(構成比32.7%)、「不正ログイン」408件(同11.5%)、「フィッシング」139件(同3.9%)、「暗号資産(仮想通貨)で金銭を要求する迷惑メール」21件(同0.6%)、「ワンクリック請求」14件(同0.4%)となっていた。相談件数の多い、相談の手口と対前年増加比は下記のとおりである。「ウイルス検出の偽警告」「ウイルス検出の偽警告」に関する相談とは、ウイルスを検出したという偽警告で不安を煽り、電話をかけさせてサポート契約に誘導する「ウイルス検出の偽警告)」もので、対前四半期では約46.3%増となっている。「不正ログイン」「不正ログイン」に関する相談は、対前四半期で約17.9%増となっており、Facebook、Instagramなどに不正ログインされて、自分ではログインできなくなったという相談が多く寄せられており、増加傾向にある。「フィッシング」「フィッシング」に関する相談件数は、対前四半期で約34.4%増となっており、各種サービスや企業を騙ったメールから偽サイトにアクセスして、個人情報やクレジットカード情報などを入力したという相談が寄せられており、国税庁を騙ったフィッシングなど、様々なサービスを騙った手口が確認されている。※https://www.ipa.go.jp/security/anshin/reports/2026q1outline.html(参考)サイバーセキュリティ相談窓口の相談状況[2026年第1四半期(1月~3月)]https://www.ipa.go.jp/security/support/reports/2026q1outline.html
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