経営研究レポート

MJS税経システム研究所・経営システム研究会の顧問・客員研究員による中小・中堅企業の生産性向上、事業活性化など、経営に関する多彩な各種研究リポートを掲載しています。

行動経済学と交渉学
本稿の要旨今回は行動経済学と交渉学の視点から事業再生を取り上げることにします。両者は別の学問体系ですが、事業再生をめぐる考え方には相通じる面も有しています。両者の考え方の共通点を通し、事業再生を実現するための解決策を明らかにします。1.伝統的ミクロ経済学の限界伝統的ミ...
保健医療分野のDXについて No.3
【サマリー】今回のレポートでは、医療と関係の深い「介護分野のDX」についてです。医療分野はDXの操作、主体となるのは医師をはじめとする専門職が主ですが、介護分野で操作、主体となるのは、資格を要する専門職種もいますが、特に何も資格を持っていない多くの人も対象となります。さらに平均年齢も介護分野で働く人の年齢の...
~資本政策の考え方の基本(前編)~
【サマリー】資本政策とは新株発行等、会社の資本調達(エクイティファイナンス)を含む株式移動に関するあらゆる計画を表現した設計図といえるもの。本稿では筆者が代表を務めるCFスタートアップスの資本政策を参考に、その基本を説明。その後のシリーズ各稿では、最近の新規...
政府は2022年12月16日、今後10年程度の外交・防衛政策の指針となる「国家安全保障戦略」などの3文書を閣議決定した。「防衛力の抜本的強化」に向けた具体的な方針の議論もはじまっているが、軍事・経済面での安全保障上のリスクに対応できる体制をどう構築していくか、財源をどうするのか、防衛産業は確立できるのかなど課題は多い。防衛力強化の方針日本政府が「防衛力の抜本的強化...
就業規則、作成・届出、そして「従業員への周知」していますか?
1.はじめに従業員数が常時10人以上の事業所は就業規則を作成し、所轄の労働基準監督署に届出をしなければなりません(労働基準法第89条、以下「労基法」)。届出を怠った場合の罰則(30万円以下の罰金)が設けられている(労基法第120条1号)こともあり、届出が必要である旨は認識している事業所が多いものと思います。就業規則を作成した際に、もう一つ必ず行わなければならないのが「就業規則の労働者への周知」なのですが...
中小企業のM&Aの実態(その3)
【サマリー】令和4年8月度より我が国の中小企業におけるM&Aと企業価値評価の実務について解説しております。第2回は我が国のM&Aの実態と目的について説明しました。今回は、M&Aの具体的な手法(スキーム)について整理したいと思います。昨今の中小企業のM&Aでは、売り手企業の株主が買い手企業を自ら探すことは稀な...
保健医療分野のDXについて No.2
【サマリー】前回レポートでは、検討会資料から厚生労働省の考え方を考察しました。今回のレポートでは、部門システムからネットワーク化、電子カルテの導入といったIT化の経緯の確認と病院内でIT化を推進するために弊害になっているいくつかの課題を指摘したいと考えます。記述予定
米国のユニコーンが生まれる風土やSPACの活用と日本の対応
【サマリー】1990年代後半以降の日本の証券市場の変化と課題、長期視点で地方創生を含む未公開市場の制度設計の方向性を4回に分けて検討しています。4回目の最後は、日本の政府は2023年までにユニコーンを20社程度生み出そうと目標を掲げていますが、次々とユニコーンが生まれる米国との基本的違いと日本の制度変革の課...
朝日新聞社が11月中旬に実施した全国世論調査で、岸田文雄内閣の支持率が37%に。昨年10月の内閣発足以降、はじめて4割を切り、不支持率は51%、3カ月連続で不支持が支持を上回った。再浮上を目指すには、閣僚人事や政権運営のあり方を抜本的に見直す必要があるのではないか。相つぐ閣僚の失言や不祥事内閣支持率が急落した背景には、いくつもの閣僚の不祥事とそれらへの岸田文雄首相...
1.はじめにマイナンバー(個人番号)は、複数の組織に存在する個人情報が同じ人物の情報であることを確認するために、国内に住民登録された一人ひとりに割り振られた12桁の番号であり、社会保障や税制度の効率性や透明性を高め、公平かつ公正な社会を実現するために2016年に導入されたものである。この際、国家による個人の監視やプライバシー侵害に危惧する声があったことから、その利用は、「社会保障」、「税」、「災害対策」...